吉本興業は2019年5月13日、東京都新宿区の東京本部にて、「ユヌス・よしもとソーシャルアクション(yySA)」の進捗状況を発表するカンファレンスを開いた。南海キャンディーズの山里亮太さん(J-CASTニュース名誉編集長)や西川きよしさんが登壇した。
「笑い」の力で社会問題を解決
「ユヌス・ソーシャルビジネス」はバングラディシュの経済学者で2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさんが提唱するもので、利益の最大化を追求する従来型のビジネスではなく、社会が抱える問題をビジネスで解決することを目指す。吉本興業は2011年から全国47都道府県に芸人が移住し、活動していく「住みますプロジェクト」を実施しており、2018年3月末に「ユヌス・よしもとソーシャルアクション」を立ち上げた。各地の「住みます芸人」たちが、IT起業家やスタートアップ企業と連携し社会問題を解決することを目的とする。ユヌスさんは「47都道府県に住んでいる芸人が(中略)お笑いを通じて、地域の方々を楽しませるだけではなく、各地域の社会問題を発見して解決に導くヒントを与えてくれることでしょう」と動画でコメントを寄せた。
進捗報告は、47都道府県よりピックアップされた6地域(山梨・岡山・栃木・京都・福岡・静岡)の住みます芸人が行った。一組3分という限られた時間の中で、実践中の企画をプレゼン。高齢化や過疎、人手不足、環境問題などの社会問題を芸人が地域の人々と共に解決していった事例をあげた。
「地方にチャンスは無限にある」
プロジェクトについて山里亮太さんは
「本当に地域に密着して、例えば香川県の住みます芸人・梶剛(かじつよし)は自分で大きな祭りをプロデュースし、町の方々と経済を動かしている。吉本の芸人に何ができるんだろうって思っている方々の期待をいい意味でも裏切り続けて、素晴らしい成果を上げている。それが日本全国に広まることはすごくいいことだと思います。地方にチャンスは無限にあるんですよ。そこに芸人とのコラボレーションがうまく橋渡しできれば日本全体が盛り上がり、いいプロジェクトになる。それに吉本興業がかかわる」
と語り続けて「びっくりしたんですよ。うちの会社っていい会社だったんだ」と吐露。「ここでいうボケではなかった」と話すと会場は笑いに包まれた。
カンファレンス終盤には住みます芸人一同が集合。応援隊長として西川きよしさんも登壇した。特別ゲストとして招かれた西川きよしさんは、
「(住みます芸人応援)隊長としてみなさんと一緒に色んな所を回させていただいています。先だって福島県にまいりまして、たこ焼きを焼いて皆さんに召し上がっていただき、大変よろこんでいただきました。そして益城町にダウンタウンの松本(人志)さんと東野(幸治)さんと雨上がり(決死隊)の2人と坂田利夫さんと6人でお招きに預かりました。色んな所にまいりまして、『本当によしもとさん、こんなところにまで来てくれるってありがたい』と言われます。地域の中に皆さんが住みついていただいて本当に頑張っていただいていますね(中略)これからもみんなで力を合わせて頑張ります。よろしくお願いします」
と語ると全国住みます芸人も「頑張ります」と沸き上がった。
出席者は西川さんや山里さん、住みます芸人らのほか、ユヌスよしもとソーシャルアクション取締役・岡田昌治さん、スベンドリニ カクチさん、西原文乃さん、泉正隆さん。モデレーターは慶応義塾大学教授の中村伊知哉さんが登壇した。