阪神は2019年5月12日、甲子園球場で中日と対戦し2-5で敗れた。1回に2点を先制された阪神はその裏に同点としたが、2回以降ゼロ行進が続き追加点を奪えなかった。5月に入って同一カード初の負け越しとなったが、順位は広島と同率で並ぶ3位を死守。14日からは今季白星のない巨人と東京ドームで2連戦を控えており、令和最初の「伝統の一戦」に注目が集まる。
中日との3連戦初戦は、先発・西勇輝投手(28)の粘りの投球と打線の爆発もあり7-3で先取。2戦目、3戦目ともに先発が先制を許す展開で、打線は2試合とも7安打と、決して打てなかったわけではないが、うまく打線がつながらず得点の機会を逃した。また、細かいミスが重なったことも流れを引き寄せることが出来なかった一因となった。
流れを変えた4回の梅野の「走塁ミス」
阪神OBで野球解説者の野口寿浩氏(47)は、中日3連戦の打線について「打線そのものは調子が下がっているわけではありません。2戦目、3戦目は打線につながりが見られませんでしたが、それはツーアウトからヒットが出ていたこともひとつの要因としてあると思います。ツーアウトからヒットが出た場合、次の打者は状況的にどうしても苦しくなりますから」と説明した。
また、野口氏は3戦目の「走塁ミス」を指摘し、その後の試合の流れに影響を及ぼしたと言及した。野口氏が指摘したのは1点を追う4回の攻撃の場面。無死1、2塁で8番・木浪聖也内野手(24)が右中間に特大の飛球を放った。これを中日・平田良介外野手(31)がキャッチ。打球は右中間の深いところへ飛んでおり、2塁走者は打球が抜ければ悠々とホームに生還できる状況だった。無死ということを考慮すれば、タッチアップに備えて2塁ベース付近で「待機」するのが定石だろう。だが、2塁走者の梅野隆太郎捕手(27)はタッチアップ態勢を取っておらず進塁のチャンスをみすみす逃した。
「野球は流れが大切なスポーツです。走塁ミスやけん制で刺されたりした時などは流れが変わってしまうことがあります。私の経験上、攻撃でこのようなミスが出た場合、次の守りで失点する確率が高い。12日の試合も4回に走塁ミスがあり、その次の回で失点しています。梅野選手の走塁が試合の流れを変えたひとつのポイントになったと思います」(野口氏)