動物由来の食べ物は避けるヴィーガンの人たちでつくる市民団体が、東京・渋谷で肉食を控えるよう訴えるデモを行うと公式サイトで告知し、ネット上で論議になっている。
この団体は、動物虐待とする写真もデモで掲げるとしている。こうした写真に気分を悪くする人が出る恐れが指摘されているが、団体側は、「知らないと解決しない」などと説明している。
赤い服などを着て、150~200人が約2時間練り歩く計画
「動物はごはんじゃないデモ行進」。こんなタイトルで2019年6月1日夕に行われるデモの参加者を募集しているのは、主催者のNPO法人アニマルライツセンターだ。
1987年に設立され、工場畜産を大幅に縮小させる活動などをしている。畜産などで殺された動物の死骸写真も、啓発のために、公式ツイッターなどに投稿している。
当日は、国際キャンペーンカラーという赤色などの服を着て、渋谷区内を2時間ぐらい練り歩く予定だ。アニマルライツセンターは5月7日、J-CASTニュースの取材に対し、150~200人ぐらいが参加する見通しを明らかにした。
街頭PRなどをするヴィーガンの人たちはほかにもおり、4、5月のGW期間中に東京・お台場で開かれた肉フェスでは、会場入口近くで看板を立てるなどの活動が見られた。ただ、殺された動物の死骸写真などもいくつか展示され、ツイッター上などでは、気分が悪くなったと不快感を訴える声も含めて注目を集めた。
今回のデモについても、ネット上で反響を呼んで、様々な意見が書き込まれている。
「関心を持ってくださってありがたい」
ヴィーガンとみられる人たちからは、「動物は人間と同じ命」「全然反社会的な行動ではない」「本質を見せることで訴えかけている」などのツイートもあったが、デモなどへの疑問や批判も多い。
「人に押し付けるものなの?」「食べないのは自由やし食べるのも自由」「子供や大勢の客にグロテスクな画像を見せていることが不快だ」といった声が寄せられている。また、デモに対抗するため、フライドチキンを食べながら見たり、お肉美味しいデモをやったりすればいい、などの極端な意見もあった。
アニマルライツセンターの岡田千尋代表は5月7日、デモについて、国際的な連携の中で4年前から毎年行っているとし、写真については、2018年のデモと同様なものを使いたいと取材に明らかにした。
動画を見ると、このデモでは、動物が檻に入れられるなどして虐待されていると主張する多数の写真を参加者らが掲げていた。内部告発などで入手した日本の農場内写真が中心で、2012~19年ぐらいに撮影されたものだという。
見る人を不快にさせる可能性もあるが、岡田代表は、デモで使う写真には一定の配慮をしているものの、「真実がわかるからこそ、解決策もでてくる」「知らなければ、解決は永遠にできません」とした。欧米などでは、肉屋を襲撃するなどの過激な活動も一部で見られるが、「平和に行われるデモ行進です」と説明している。
ネット上の対抗するような書き込みについては、「関心を持ってくださってありがたいと感じております。弱者である動物にとっては、無関心こそが最も怖いものです」と答えた。
デモの趣旨については、「日本は屠殺場閉鎖といいますと差別的に捉えられてしまう可能性があり、動物は生き物であり、個性がある、私達と変わらない動物であるという『動物はごはんじゃない』という言葉で集まっています」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)