東アジア事業は成長軌道に乗るものの...
野村以外でもゴールドマン・サックス証券、ドイツ証券、みずほ証券が相次いで目標株価を引き下げ、みずほ証券は投資判断についても「買い」から「中立」に格下げした。そうした影響もあって上値が重く、10連休直前の終値は2万1140円にとどまり、10連休明けの5月7日の終値は前営業日比1.9%(410円)安の2万730円となった。この日は米中貿易摩擦の激化が市場で懸念されて市場全体としても株安で日経平均株価は1.5%安だったが、良品計画が中国への出店を強化している「中国銘柄」でもあることから日経平均より下げがきつく、8日も続落。さらに米国が対中制裁関税を25%に引き上げたとのニュースが飛び込んできた10日には、1.9%(390円)安とさらに落ち込んだ。この日の終値は2万210円。2万円の大台割れも視野に入ってきた。
良品計画の歴史は試行錯誤を重ねながら果敢に海外出店を進めた歴史でもあり、2019年2月期で海外売上高比率が4割と日本の小売業としてはかなり高い水準にある。米国のようになお苦戦が続いている地域もあるが、売上高が国内の半分(全体の3割)を占める中国などの「東アジア事業」のように成長軌道に乗っている地域もある。特に中国では「一歩先を行くおしゃれな店」として支持されているようだ。
中国では2019年2月末で256点舗を数えるまでになっており、2020年2月期も30店舗規模と前期並みの高水準の出店を維持する方針。環境問題への関心も高まっており、無印良品の「エコな感じ」が売上高の増加に寄与するとみているようだ。ただ、中国経済の減速は続いており、米中貿易摩擦も激化しているだけに、「東アジア事業」の成長力に陰りが見える可能性も否定できず、その点も株価の重しとなっている。