視聴スタイルは大きく変化
それから四半世紀にわたって、「映画は1800円」で定着してきたが、その間に景気は徐々に回復。東京都の最低賃金は、この25年で620円から985円(2018年10月)にまで高まったことを考えると、運営会社が「人件費」を値上げの理由としたのも、わからなくはない。
一方で、人々のコンテンツとの接し方が変わったのも事実だ。ブロードバンド回線の普及によって、レンタルビデオ店に行かなくても、自宅のテレビやパソコンからVOD(ビデオ・オン・デマンド)で楽しめるようになった。モバイル通信も高速化して、スマートフォンやタブレットでも、ストレスなく映画に触れられる。
ソフト面でも、NetflixやHulu、Amazonプライムビデオなどのサブスクリプション(月額課金で使い放題になるサービス)が登場したことで、視聴体験を「買う」感覚は薄れつつある。いち早く大画面で楽しむか、ちょっと待ってでも家での気軽さを取るか。大手3社の値上げによって、より視聴スタイルが二分されていきそうななか、映画館はもっと付加価値をアピールしていく必要がありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)