宮崎市などで震度5弱を記録した地震は、南海トラフ巨大地震の想定震源域で発生したため、「前震なのか」とネット上で不安の声も漏れている。
気象庁は、直ちに南海トラフにつながらないと会見で説明したが、最近の状況はどうなっているのだろうか。
気象庁「直ちに南海トラフにつながらない」
「授業中に地震おきてびっくり」「けっこう長く揺れた...しかもかなりの横揺れ」「ものすごく怖くて手も足も震えた」...
2019年5月10日8時48分ごろ、宮崎県沖の日向灘(ひゅうがなだ)でマグニチュード(M)6.3の大きな地震が発生すると、ツイッター上などではこんな悲鳴が相次いだ。
日向灘と言えば、陸のプレートの下に海のプレートが沈み込む南海トラフの震源域とされているところだ。
それだけに、「前震なのかもしれない」「明日明後日南海トラフあるんかな」「これが引き金になったら嫌だ」などと不安を訴える声も相次いでいる。
気象庁は10日、緊急会見を開き、今後1週間ほどは同程度の地震が起こる恐れがあるとし、特に2、3日ほどは要注意だと呼びかけた。
今回の地震は、陸と海のプレート境界で起きたとしたが、南海トラフとの関連を聞かれ、直ちにつながるものではないと否定的な見方を示した。
南海トラフを巡っては、プレート同士が強くくっつく固着域で、プレートがゆっくりずれ動く「スロースリップ」の現象が起きているとされる。
東日本大震災の2か月前などいくつかの大地震でこの現象があったことが分かっており、会見で質問が出ると、気象庁は、固着域のある四国西部は今回の震源から北にだいぶ離れているとして、スロースリップの影響などはないと述べた。
大震災で前震があったように、もっと大きな地震の前震かどうかについては、その可能性は否定できないものの、M6以上の地震に対して過去に調査した結果から、「特段そのような領域には位置していない」としている。