2019年5月11日、12日に陸上競技大会「世界リレー」が横浜国際競技場で開催される。同大会は14年にバハマで初めて行われ、今回で4回目。アジアでは初めてとなる。
リレーは、陸上競技の中でも花形種目だ。しかし五輪や世界陸上では「4×100メートル(=通称、四継)」、「4×400メートル(=通称、マイル)」の2種目しかない。はて...? 2種目だけで開催するの? ということで、J-CASTニュースは、日本陸上競技連盟(JAAF)と、テレビ中継するTBS(5月11日夜8時50分~、12日夜6時30分~)に取材した。
男女4人がハードルを跳ぶ「シャトルハードル」
JAAFとTBSによると、今大会で行われるのは、
・「4×100メートル」(男子、女子)
・「4×200メートル」(男子、女子)
・「4×400メートル」(男子、女子、混合)
・「シャトルハードル」(混合)
・「2×2×400メートル」(混合)
の9種目(男子3、女子3、男女混合3)。「男女混合4×400メートル」は、2020東京五輪から正式種目として採用されるが、「シャトルハードル」、「2×2×400メートル」は耳慣れない。
まず、男女混合で走る「シャトルハードル」。陸上競技のリレーといえば通常、トラックを回り、バトンで次の選手へつなぐ...というものだ。しかし同リレーは、直線110メートルの2往復。しかもレーン上には、ハードルが設置されている。要は、ハードルを跳びながら第1走者からアンカーまでの4人が往復で110メートル障害を跳び、合計タイムを競うというもの。また「ハードルを跳ぶ」という特性上、バトンの受け渡しはない。簡単にいえば、水泳形式のリレーを陸上ハードルバージョンにした、といったところだろう。
気温が上がると「厳しい」種目も
続いて「2×2×400メートル」。同種目は、男女2人が400メートルを交互に2本走るというもの。スポーツ好きな筆者も若かりし頃、400メートルをしょっちゅう走らされていたが、当時の監督曰く「スポーツの中でも陸上400メートルほどキツいものはない」。マラソン等の長距離は「有酸素運動」だが、400メートルは「究極の無酸素状態」で走り切る。ゴールした後は顔面蒼白、コース上に倒れこみ、しばらく動けなかったことを思い出す。
JAAF担当者によると、
「確かに厳しい種目ですね。この時期は気温も上がってきているので、選手の安全管理にも努めたいと思っています」
とのことだった。
日本新も? 桐生祥秀が男子「4×100メートル」アンカー
注目は、男子「4×100メートル」リレーだ。同種目は2016年のリオ五輪で銀メダル、翌2017年の世界陸上ロンドン大会では銅メダルと、実力は世界トップクラスといっていい。気になるオーダーだが、
・第1走者=多田修平選手(100メートル自己ベスト10秒07)
・第2走者=山縣亮太選手(同10秒00)
・第3走者=小池祐貴選手(同10秒17)
・アンカー=桐生祥秀選手(同9秒98)
という予定だ。天候や風の状況にもよるが、「日本新」をたたき出す可能性も高い。
同大会はTBS系で放送されるが、その進行役を務めるのが、俳優の織田裕二さん&キャスターの中井美穂さん。同局では「世界陸上」を1997年アテネ大会から放送しており、「織田&中井」コンビは、実に22年にわたる。
織田さんは、TBSホームページで、
「東京五輪も真夏に開催されるということで、暑さの中でも強い選手は誰か? といったところが見どころ。楽しみなのが日本の男子短距離陣。100メートルで国内では負けなしの山縣亮太選手、日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀選手をはじめ、選手層が今までなかったぐらい充実している状況にゾクゾクしています」
とつづっている。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)