2019年夏の参院選で懸念されている野党候補の「共倒れ」問題について、民主党や民進党の代表を歴任し、いまは立憲民主党会派の岡田克也衆院議員が改めて調整を急ぐように求めた。5月10日、国会内で記者団に語った。
特に現職5人(自民2人、公明、共産、無所属)が出馬を表明している東京選挙区(改選数6)では、立憲が2人を擁立することを決めており、国民民主党も独自候補擁立に向けて最終調整中だ。
京都は「2人立てれば共倒れになる可能性はかなり高かった」
岡田氏が「いずれにしろ1本化が必要だったので、結果が出てよかった」として高く評価したのが京都選挙区(改選数2)の対応だ。自民、共産がそれぞれ現職の西田昌司氏(60)、倉林明子氏(58)の擁立を決める中、立憲は新人の増原裕子(ひろこ)氏(41)を擁立。国民も新人の斎藤勇士アレックス氏(33)の公認を内定していた。「(旧民主系を)2人立てれば共倒れになる可能性はかなり高かった」(岡田氏)という状況を受け、国民は4月末になって擁立を取り下げ、増原氏の支援に回ることを決めた。
一方で、東京以外に立憲-国民で調整が必要だとみるのが大阪と北海道だ。
大阪選挙区(改選数4)では、13年は維新、自民、公明、共産が議席を獲得。民主は5番手だった。19年は4党が議席死守を目指す中、旧民主系が割って入れるかが焦点だ。立憲が弁護士の亀石倫子(みちこ)氏(45)、国民がスリランカ出身のタレントで羽衣国際大教授のにしゃんた氏(49)を擁立している。
北海道選挙区(改選数3)は、16年から改選数が2から3に増えた。13年は自民、民主が議席を獲得。19年は現職の2人は出馬せず、新人6人で争われる見通しだ。自民は道知事4期を務めた高橋はるみ氏(65)と道議5期を務めた岩本剛人氏(54)の2人を擁立。立憲は道議4期を務めた勝部賢志氏(59)、国民は獣医師の原谷那美氏(34)、共産は元衆院議員の畠山和也氏(47)、幸福は元製鉄会社社員の森山佳則氏(52)の擁立を決めている。
共産党は1人区以外では「わかりました。じゃあ降ろします」とはならない
岡田氏は、この3選挙区について
「この辺がちょっときついところだよね。それをどうするかというのは、基本的には両党で話し合う話ではないか」
と発言。共産党を交えた野党共闘との関係については
「共産党が1人区以外で『わかりました。じゃあ降ろします』とかいう話は聞いたことがない」
として、2人区以上では立憲と国民で調整を進めるべきだとの認識を示した。自らが調整に乗り出す可能性は
「僕は個々の選挙区の状況はそんなに詳しくない。直接やっていないから」
として否定した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)