2020年東京オリンピックのチケット購入に向けた第1弾の手続きが始まった。予定された流れではあるが、各メディアがあらためて詳細を報じている。
そんな中、一部で注目を集めたのは、その支払い方法。カード決済の場合は「VISA」(ビザ)ブランドのみ、となっているからだ。ビザ・ワールドワイド社(Visa)は、東京五輪のスポンサー。ツイッターでは、そうした事情に理解は示しつつも、「どうなんだろうか?」と違和感を示す声も出ている。
購入に向けた抽選申し込みの受け付けが始まる
2019年5月9日の朝10時、東京五輪のチケット購入に向けた抽選申し込みの受け付けが始まった。大会組織委員会のサイトでID登録した後、専用サイトで観戦したい競技や日時などを選ぶ。28日(23時59分)まで受け付け、6月20日に抽選結果を発表する。今回は、いわば第1弾の手続きで、今後、19年秋以降に第2弾(先着順販売)、20年春以降に第3弾(都内に設置する販売所などでの販売)も予定されている。販売規模は今回が最大となる見込み。
受け付け開始前日の8日から9日にかけ、各メディアがこうした内容をあらためて報じた。当選した場合の支払い方法にも触れており、総額30万円未満(税込)の場合は、現金決済(コンビニ窓口支払い)か、クレジットカード(VISAカードのみ)。30万円以上は、VISAカード決済のみとなる。
VISAカードで知られるVisa社は、東京五輪のスポンサー(ワールドワイドパートナー、「決済システム」カテゴリー)。大会組織委サイトによると、「チケット購入を含む会場で使える唯一の決済ブランド」だ。Visaは1986年以来、オリンピック大会を支援し続けており、過去の五輪大会でも唯一の決済プロバイダーとして関わっている。
日本のクレジットカードの利用状況は?
とはいえ、受け付け申し込みスタート直前になって「カード決済はVISAのみ」を知った人の中には、驚いたり違和感を持ったりした人もいたようで、ツイッターには、
「VISAのみなのね」
「何故VISAカードだけなのさー。オフィシャルスポンサーっていっても、単独すぎるだろー!」
「スポンサーがらみとはいえ、どうなんだろうか?」
といった意見も寄せられていた。
日本のクレジットカードの利用状況については、たとえばグローバル・マーケティング・リサーチのイプソス(本社パリ、東京オフィスは港区)が2017年1月11日に調査結果を公表している(約18万5000人にオンラインアンケート、81%が過去6か月以内にクレジットカード1枚以上を利用したと回答)。
公表結果によると、国際ブランド別シェアは、VISAが55%、JCBは30%、マスターカード12%などだった。