ツイッターは2019年5月から、「ワクチン」に関する単語を検索すると、検索結果に厚生労働省の予防接種情報ページが案内される施策を始めた。
ワクチンをめぐっては、SNS上で誤った情報が拡散されているとして各事業者が対策に乗り出している。ツイッター日本法人は取材に「ワクチンに関連してより信頼できる情報が表示されるように、新たな機能を開始しました」と答えた。
広がる「ワクチン忌避」へ対策の動き続く
世界保健機関(WHO)が発表した「2019年の世界的な健康への脅威」では、インフルエンザやエイズウイルス(HIV)などとともに「ワクチン忌避」がトップ10に選ばれた。
発表文では、はしかや子宮頸(けい)がんを例に、「ワクチン接種は最も費用対効果の高い病気の回避方法の1つ」だと説明。世界で年間2~300万人がワクチン接種で命を救われ、ワクチンの普及率が上がればさらに150万人が救われると試算している。
ワクチン接種をめぐっては、「自閉症を引き起こすリスクがある」など科学的根拠に乏しい情報の温床になっているとして、SNS事業者は批判を集めてきた。
ユーチューブは19年2月、反ワクチンを促す動画への広告掲載を停止。フェイスブックも3月、反ワクチンに関する広告を排除し、投稿も発見しづらくすると発表した。傘下のインスタグラムでも、類似の方針を示した。
日本では草の根の動きも見られる。医師らが反ワクチンなど信頼性の問われる医療情報に対し、インスタグラムでハッシュタグ「#インスタ医療団」をつけた啓蒙活動が広がっている。
ワクチン誤情報の「非表示」も
ツイッター日本法人の広報は19年5月9日、J-CASTニュースの取材に「ツイッターは、利用者にとって高品質で関連性の高いコンテンツを重要視しています。このたび、ワクチンに関連してより信頼できる情報が表示されるように、新たな機能を開始しました」と明かした。
今後数週間のうちに、ツイッターでワクチンに関連する単語を検索すると、最上位に厚労省の予防接種情報ページが案内される。同ページでは、予防接種で防ぎやすくなる病気やその有効性などが記されている。日本以外の国や地域も対象で、公衆衛生機関との連携を進めていくとした。
また、ワクチンに関して誤った情報へ誘導する可能性が高いキーワードは、検索候補から非表示にする取り組みも併せて始めた。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)