2019年夏の参院選で、東京選挙区(改選数6)が混戦模様だ。改選数が5だった13年参院選では、民主党系候補が2人立候補して「共倒れ」したという経緯があるが、今回も旧民主系の候補が乱立しそうだ。
立憲民主党は2人を擁立する方針で、国民民主党も擁立を検討。国民と同じ会派に所属する現職の山本太郎氏との連携のあり方も焦点だ。
現職5人は早々に出馬を表明
現職の5人は、早々に出馬を決めている。自民党は元五輪相の丸川珠代氏と武見敬三氏、公明党は代表の山口那津男氏、共産党は吉良佳子氏をそれぞれ公認。13年に初当選した山本氏は19年4月10日に自由党を離党し、政治団体「れいわ新選組」を結成することを発表。無所属で出馬する意向を示している。
こういった中で注目されるのが、旧民主系が6枠にどの程度「割って入る」ことができるかだ。立憲は元都議の塩村文夏氏の擁立を決めており、2人目の擁立作業を進めている。国民が独自候補を立てた場合、競合する可能性もある。5月8日に行われた玉木雄一郎代表の定例会見では、参院東京選挙区に「誰かを出すのか」という記者の質問に対して「今、調整をしている」と述べるにとどめた。
一部では安定した支持を得ている山本氏との距離感も課題だ。自由党は国民に合流したが、山本氏はその前に自由党を離れている。そのため、公認する可能性について玉木氏は「それは今はあり得ない」と否定。ただ。山本氏は現在も国民と同じ会派に属していることから
「どのような連携を取っていくのかについて、また個別にお話をさせていただきたい」
とも話した。原発問題では、山本氏は再稼働に反対する一方で、電力総連の支援を受ける国民民主党は容認する立場。考え方の隔たりは大きく、支援の仕方によっては政策面での整合性を問われることになりそうだ。
2013年参院選でうずまいた「怨嗟の声」
改めて擁立の遅れを指摘された玉木氏は、
「東京選挙区も候補者はいる。どういう形で出していくのか、今は最終的な検討をしている」
などと話した。仮に国民が独自候補を擁立すれば、旧民主系候補は3人だ。
13年の参院選では、民主党(当時)は東京選挙区で鈴木寛氏と大河原雅子氏の2人をいったん公認。かなり早い段階で民主党の劣勢は明らかだったが、執行部は候補者の一本化をためらい、大河原氏の公認を取り消したのは公示のわずか数日前。反発した大河原氏は無所属での出馬を強行し、菅直人元首相は大河原陣営を応援。2人とも落選した結果、党内では「票を分散させて共倒れを招いた『戦犯』で万死に値する」との怨嗟の声がうずまいた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)