混乱する状況の中、米軍の標的とされ...
10月、日本軍はガダルカナル島への兵員輸送に失敗し、戦局は米軍側に大きく傾いていた。米軍が保持している飛行場を破壊しなければ兵員の大規模輸送は不可能と判断した日本軍は、第六戦隊や戦艦「金剛」「榛名」らによる飛行場破壊作戦を立案し、実行に移した。
第一次攻撃隊の一員として進発した古鷹だったが、11日夜間にサボ島付近で米軍の迎撃部隊と会敵、サボ島沖海戦が生起する。
この戦いは、旗艦を務めていた青葉が米艦隊を味方と誤認し、砲撃を受けて指揮官が戦死するなど混乱したものとなった。米軍側はレーダーを使用した統制砲撃で日本海軍の艦船に次々と命中弾を与え、古鷹も多数を被弾してしまう。
このとき魚雷用の酸素が誘爆して大火災を起こした古鷹は、夜の闇に赤々と照らし出されてしまい、格好の目標となり集中攻撃を受けて22時40分には航行不能に陥り、12日午前0時28分に沈没。戦死者は33名だった。
(ライター 早川清一朗)