ラミレス采配に迷い...再び連敗街道を行くDeNA 背景には監督の「悪いクセ」が?

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   DeNAの負の連鎖が止まらない。2019年5月6日、横浜スタジアムで巨人と対戦し、2-10の大敗を喫した。今季初の先発となった東克樹投手(23)が、初回から乱調気味で3回8安打8失点と大炎上。昨季、対巨人戦5勝無敗、防御率1.33の「Gキラー」が序盤で試合を壊し、チームはこれで4連敗。借金は今季最多の「9」に膨らみ、首位・巨人とは8ゲーム差となった。

   頼みの「Gキラー」も形無しだった。左肘の違和感で出遅れていた東が、満を持して臨んだ今季初先発となる巨人戦。久々の1軍マウンドの立ち上がりに注目が集まったが、巨人の1番・山本泰寛内野手(25)にセンター前に運ばれると、続く2番・坂本勇人内野手(30)に先制の2ランを許し、わずか7球で2点を失った。その後も制球が定まらず、3回には再び坂本に2ランを浴びるなど5点を失った。

   悪夢の10連敗に終止符を打ったのが4月29日の巨人戦。5月に入ってからは2連勝と、勢いを戻しつつあったに見えたが、3日から再び連敗街道へ。投打がかみ合わず接戦を落とすゲームもあったものの、ここ3試合で22失点と、投手陣に不安を残す結果に。ローテーションの一角に期待される昨季の新人王・東は本来の投球には程遠く、調子を取り戻すには時間がかかりそうだ。

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大胆起用からの「非情」2軍落ち

   チームが低迷にあえぐ中、アレックス・ラミレス監督(44)も苦しい采配が続く。6日の試合では、打率1割台にあえぐ宮崎敏郎内野手(30)を今季初の2番に置き、「Gキラー」東の女房役に若手の山本祐大(20)を大胆起用。ベテラン伊藤光(30)、嶺井博希(27)の2捕手をあえて先発に使わず、2軍で東とバッテリーを組んでいた山本にプロ初のスタメンマスクを任せた。しかし、今季初先発の東を山本がリードしきれず、結果的に裏目に出る形となった。

   開幕からここまで指揮官の采配には迷いが見られる。打線に関しては、4番の筒香嘉智外野手(27)以外は打順を固定出来ずにいる。投手の起用法も独自の路線を貫き、4月21日の広島戦では、リーグ初となる「オープナー」制を導入。また、4月25日の阪神戦では9回途中から捕手を交代させる場面も。そして極めつけは山本のプロ初スタメンと、これに伴う即時の2軍降格だろう。DeNAは5月7日、6日の試合で結果を出せなかった山本を出場選手登録から抹消した。ラミレス監督の「非情采配」に、他球団の関係者は「選手に不信感を与えるのではないか」と不安視する。

「もう少し1軍で様子を見ても良かったのでは...」

   ラミレス監督の采配に関しては、昨シーズンから疑問視されることがあった。事実、昨シーズン終了後、ラミレス監督はシーズン中の采配が独断の傾向にあったとしコーチ陣に異例の謝罪を行った。選手起用に関して、自身の感性やデータを重んじるあまりコーチ陣の助言を受け入れることが少なかったという。ラミレス監督独特の感性は選手に伝わりにくく、選手の間に不信感がつのり、結果、監督3年目で初のBクラスの屈辱を味わった。

   コーチ陣とのコミュケーション不足を認めたラミレス監督は、「多くの決断を自分が下し、コーチの力を発揮させられなかった」と反省の言葉を口にし、秋季キャンプではコーチ陣と個人面談を行い、コミュケーションを取ってきた。ただ、前出の関係者はここにきてまた、ラミレス監督の「悪いクセ」が出てきたのではないかと指摘する。

「ラミレス監督は日米の野球を知っているので、両方のよいところを導入しようとしている。これはもちろんいいことなのだが、失敗すると『奇策』とか『独断』ととられる。山本の2軍降格の意図も分からないでもないが、プロ初スタメンで結果を残せなかった選手を即、2軍に落とすのは、やり過ぎの感がある。選手の不信感につながりかねないし、もう少し1軍で様子を見ても良かったのではないか」

   DeNAは8日に新潟で巨人戦を控え、10日からはマツダスタジアムで3連敗中の広島との3連戦に臨む。指揮官の苦悩はいつまで続くのだろうか。

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