「アンパイア」より「レフェリー」が偉い?
一方、「レフェリー」派のサッカーはどうか。日本サッカー協会(以下、JFA=東京都文京区)によると、
「サッカーのレフェリーは『refer=委ねる』が語源です」
つまり、両チームの勝敗を「委ねる」という立場から「レフェリー」という名の「審判」が誕生した、ということらしい。実際、JFAが発行した「JFA news 3月情報号」の中では、JFA審判委員会の小川佳実委員長が、
「『The FA』(=イングランドサッカー協会)が1863年に創設された頃は、審判員の存在はなく、選手は規則を守り、スポーツマンシップに反しないこと前提にプレーしていました」
なるほど~。当時は、お互いの「セルフジャッジ」で、試合が進行していたようだ。ところが、
「競技性が高まるにつれて、公正、公平を自分たちで担保できなくなってきたようです。そこで、試合中に問題が起きた時に判断するものとして『アンパイア』を両チームから1人ずつ任命し、判断を任せるようになった。しかし、2人の『アンパイア』も意見が分かれたり、対立が起こるようになったことから、最終決定を委ねる(=refer)ために、相談役(仲介者)を配置した、それが語源にもなっている『レフェリー』です」
さらに、
「1891年、競技規則大改革でレフェリー(主審)がピッチに入り、アンパイアが線審としてタッチラインの外に出るという、現在の形になりました」
という。
とすれば、少なくともサッカーでは、元々いたのが「アンパイア」で、さらに最終判断をする役割として登場したのが、「レフェリー」ということになる。