憲法に「自衛隊」明記、賛否の「差」縮まる
自衛隊と憲法9条をめぐる問題に踏み込み、紙面を割いた(13面)のは、朝日新聞。世論調査では、「憲法9条を変えるほうがよいと思うか」の問いに、「変えないほうがよい」との答えが64%(18年調査は63%)で、「変えるほうがよい」の28%(同32%)を上回った。
また、安倍首相が提案している自衛隊の存在を明記する改正案について、「反対」は48%(18年調査は53%)、「賛成」は42%(同39%)だった。反対が賛成を上回ったが、賛否の差は縮まった。
賛成の理由で最も多かったのは、「海外で活動しやすくなる」が43%、「憲法違反の疑いがなくなる」が31%、「隊員が誇りが持てる」は23%だった。反対の理由は、「海外活動が拡大するおそれがある」が58%で最多。次いで「これまでも合憲としており、変える必要がない」が29%、「2項(戦力を保持しないこと)を削るべき」が8%だった。
一方、朝日新聞によると、憲法を変える機運がどの程度高まっているか聞いたところ、「あまり」と「まったく」を合わせた「高まっていない」は72%。改憲機運が「高まっている」と答えた人は22%だった。また、自民党支持層でも「高まっていない」は61%、無党派層では77%にものぼった。
「安倍晋三首相は2020年の改正憲法施行を目指すが、有権者の意識は高まっていない」と、みている。