過去の通知に縛られて? 「選挙公報」が、ネットから消されている

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有権者側、候補者側にメリット

   J-CASTニュース編集部は、総務省にも電話取材をした。4月24日に同省選挙課の担当者が回答したところによると、15年5月22日に国会で答弁書が出ていることについて、全国の各都道府県の選管に通知。答弁書を別紙として付けているという。

   畠山さん側が調べた情報(選挙公報が削除された府県)の中には、人口の多い自治体の名前も。人口が880万以上(有権者数は730万人以上。いずれも3月1日時点の数字)の大阪府に取材した。

   同選挙管理委員会事務局の担当者によると、4月7日に行われた府知事選、府議選挙とも、総務省の「投票終了時刻20時にただちに削除するとしても差し支えない」という趣旨の通知に基づき、20時にただちに削除。削除するかどうかは選管が判断しているといい、12年に総務省から出された通知に基づいているという。15年5月22日付で総務省から出ている通知について認識しているかどうか尋ねると「平成24(2012)年3月に出ている分で判断していることしか言えない」と回答。理由や経緯を聞いてみても、「(通知に)基づいてやっているとしか言えない」と明確な答えは得られなかった。

   宮原さんは取材に対し、「(議員は)現状の選挙制度で当選する方なのでなるべく現状の選挙制度を変えたくない思いは働きがち。ただ、今回私たちが呼び掛けていることに関しては否定しがたいこと」と強調。キャンペーンの趣旨については、次のように訴えた。

「(選挙公報が)なくなってしまうことに気付いていなかった人が圧倒的で、多くの有権者が検証しようという発想すらなかった。有権者側の責任として考えるきっかけにしたい」(宮原さん)

   「候補者にもメリットになる」と話すのは畠山さん。「キャンペーンに賛同してくれるということは4年間約束を守れるというのを有権者に示すことにもなる。いい加減なことをやっている候補者に緊張感が出て、社会のためにもよい影響があるのでは」と利点を強調した。

(J-CASTニュース編集部 田中美知生)

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