天皇陛下が国民に退位を知らせる「退位礼正殿の儀」が、2019年4月30日17時から、皇居・松の間で行われた。
テレビ各局は儀式の様子を生中継。儀式は安倍晋三首相が国民代表の辞を述べた後、天皇陛下がお言葉を述べられた。お言葉が終わり、天皇陛下は松の間を退出したが、その退出の直前、視聴者の注目が天皇陛下に集まった。
TBS解説室長「あまり見たことがない。深い思い感じた」
儀式が終わり、剣、勾玉、国璽、御璽が下げられた後、これらを運ぶ侍従たちと共に松の間の出口に向かって歩き始めた天皇陛下は、先導役の2人と剣を持つ侍従が松の間を出たところで、180度振り返り、台座付近で退出を待つ皇后陛下に視線を向けられた。その後、参列者の方に向かって天皇陛下は一礼し、再び松の間の出口に向けて歩き始め、退出された。
生中継は各テレビ局で行われたが、この内、「Nスタ」(TBS系)では、天皇陛下の一礼について、TBS報道局の牧嶋博子解説室長が、
「陛下が松の間を出られる時に、参列者に向かって一礼されたんですけど、(松の間での儀式で天皇陛下が一礼する姿を)私はあまり見たことがないので、何というか、最後の一礼にすごく深い思いを感じました」
と解説、最後の「一礼」が単なる礼ではなく、陛下の思いを込めたものではないか、との推測を披露した。
「一つの時代終わった」実感の声も
この「思い」は、多くの国民にも伝わったようだ。厳かな儀式が終わるや、中継を見ていた視聴者からは天皇陛下の一礼についてのツイートが続々。「松の間から退室される際に、一礼された陛下のお姿を見て、涙が出ました」「映画だったら、今陛下が一礼するところで音楽鳴り始めてエンドロールに入るところだよ。平成のエンドロール......」といった、天皇陛下の一礼に感銘を受けたとする書き込みが次々と上がったほか、
「退位礼正殿の儀の最後、天皇様がご退室されるときに一礼されたの見て、はじめて寂しさを感じた。平成、終わるんだな」
と、一つの時代の終わりを実感したとする声も続々と上がっている。
また、「退位礼正殿の儀」が終わった際に天皇皇后両陛下が台座を下りられる際には、天皇陛下が皇后陛下の手を取る瞬間があったが、これについても、「皇后様の手を取る天皇陛下 "夫婦の絆"が垣間見れた」といったツイートが相次いだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)