WTO敗訴で朝日・産経の「場外乱闘」も 予想外れで慌てて大騒ぎ

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河野外相は「やや正確性を欠く記事」

   この論争に産経新聞が「参戦」し、24日「河野外相、WTO判断めぐり朝日新聞に抗議」との記事を掲載。河野外相が会見で「朝日新聞だったかが、やや正確性を欠く記事があって、日本産食品の安全性に疑念を抱かせかねないものがあった」とのコメントを引き、「抗議した」と報じた。

   こうした「場外乱闘」は脇に置いても、今回の実質敗訴は、産経も「政府の食品輸出の拡大戦略にも障害となりかねない」(13日朝刊)と書くように、与党内でも不満が噴出している。17日の自民党の水産部会と外交部会などの合同会議では、全国漁業協同組合連合会などの関係者から「日本の敗訴以外の何ものでもない。日本の水産物への信頼を損ないかねない」「日本の漁業者でさえ政府の説明は納得できない」といった不満の声が出され、議員からも「完全に外交の敗北だ。外務省はまったく油断していた。一体何をやっていたんだ」「日本産食品は安全だけど安心できないと誤解されかねない」などと政府の責任を追及する声が続出した。

   日本側は上級委員会の機能不全を批判し、「WTO改革」を推し進めることで対抗する方針だ。26日の日米首脳会談では、日本の立場を支持した米国のドナルド・トランプ大統領に対し、安倍晋三首相が謝意を伝える場面もあった。

   とはいえ、日本は南極海の調査捕鯨でも、条約違反だとのオーストラリアの提訴を受けた国際司法裁判所(IJC)の訴訟で敗訴しており、それが2018年の国際捕鯨委員会(IWC)脱退表明につながった。韓国の元徴用工問題をめぐり、IJCへの提訴も視野に入れているが、国際的な相次ぐ敗訴で、安倍政権として外交の戦略見直しを迫られる可能性もある。

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