「60キロまで(しか出ない車に乗ってもらう)とか、代替手段があってもいい」
番組ではバイオリニストの松尾依里佳さん(35)が「ご遺族が鳴らしてくださった警鐘を、身近な問題だと一人一人が思って取り組まないと、いつか身内が起こしてしまうじゃないかと不安に思いながら本人を説得できずにいる方がものすごくおられる。制度もそうだし、いろいろな変化が喫緊の課題」として、こんな提案をしていた。
「これほどスピードが出て殺傷能力のあるものに乗るのがいつまで可能と言っていいんだろう。たとえば最高速度が遅い、60キロまで(しか出ない車に乗ってもらう)とか、代替手段があってもいいのでは。時速百何十キロも出なければ仮に事故が起きてしまってもここまでの重大事故にならないもの、という方向にシフトチェンジしていくことも(必要)」
飯塚元院長は事故当時、時速100キロで150メートルほど走行していたとされる。ブレーキ痕も確認されなかった。
松尾さんは「身内の目」を生かすことも必要と訴えた。
「ご家族が免許更新を止められない。ご本人が言うことを聞かず、免許更新センターにやめさせてと言っても、ご本人の意向があったら家族の意向では止められないと言われる。日頃を知る家族の声がもっと加味されるべきだと思う。介護認定でも、普段できないことが認定の時だけできる場合がある」
この意見には番組中、犬塚浩弁護士が「ある種の狙い撃ち的なものになるので、家族の意見も含めて総合的に判断するということならできると思う」との見解を加えていた。