公正取引委員会は、オンラインモール運営事業者の取引実態に関するアンケート調査の結果を公表した。国内で大きな影響力を持つアマゾン、ヤフーショッピング、楽天市場の実名を上げて質問したところ、「一方的な規約の変更があった」「規約の変更に不利益な内容があった」との回答が最も多かったのは、楽天だった。インターネット上の商取引と言えば、世界的に影響力が大きいアマゾンの方が何かにつけて注目されるが、公取委は楽天の動向にも目を光らせることになりそうだ。
アンケートは、2019年1月に公取委が開始した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」の一環。2月27日から3月26日まで、商品を販売するためにオンラインモールを利用したことがある、または利用の申請をしたことがある事業者を対象に実施し、811人から回答を得た。4月17日に発表した。
規約の変更について「一方的に変更された」と回答したのは...
主な質問と回答をみると、オンラインモール運営事業者による規約の変更について、「一方的に変更された」と回答したのは楽天93.2%▽アマゾン72.8%▽ヤフー49.9%。規約の変更の中身について「不利益な内容があった」は楽天93.5%▽アマゾン69.3%▽ヤフー37.7%――だった。規約変更の説明の有無については、「説明があった」は楽天61.5%▽ヤフー50.9%▽アマゾン48.0%と、楽天の割合が高かった。しかし、説明に「納得できた」は、楽天は3.2%に過ぎず、ヤフーの51.9%▽アマゾンの22.4%を大きく下回った。
プラットフォーマーといえば、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字を取った「GAFA(ガーファ)」が代表例。中でもインターネット通販という点ではアマゾンは世界で圧倒的なパワーを持っており、批判の対象になりがちだ。だが国内においては、楽天、ヤフーの利用者も多い。
運営事業者に支払う利用料については、「一方的に決定された」が楽天91.0%と圧倒的に多く、アマゾン80.7%▽ヤフー70.1%と続いた。「不必要・不合理だと感じるサービスや機能に対する利用料」や「根拠がないと感じる金銭の支払い」(例えばポイント還元や販売セール等での合理的な範囲を超えた原資負担金)を要求されたことが「ある」と答えたのは、楽天が84.2%とダントツでトップ。アマゾン38.7%▽ヤフー16.8%と続いた。