日経バッサリの「郵政民営化完了」 なぜか大々的に扱う読売のコントラスト

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   政府はこの秋、保有する日本郵政株を追加売却する。

   保有比率を、郵政民営化法が定める下限となる「3分の1超」ギリギリまで下げ、同法に基づく民営化を完了することになる。だが、郵便局網の維持を義務付けられるなか、金融2社の収益頼みを脱して成長軌道に乗るのは容易ではない。

  • 日経と読売の扱いは対照的
    日経と読売の扱いは対照的
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「できるだけ早期」と定められた

   郵政グループは、持ち株会社の日本郵政の下に日本郵便(郵便局と郵便事業)、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社がぶら下がる形。郵政民営化法で、政府の日本郵政株式保有比率を「3分の1超」に引き下げ、日本郵政保有のゆうちょ銀株とかんぽ生命株は全て売却することになっている。いずれも売却期限はないが、郵政民営化の趣旨からいえば、できるだけ早期に行うべきものとされる。

   2015年11月、日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命の3社が東京証券取引所に同時上場したのが、株の放出の第1弾。日本郵政株は2017年9月にも追加売却され、今回は3回目になる。現在の日本郵政株の政府保有比率は56.9%で、「3分の1超」ギリギリにするなら、今回の売却数は10.6億株程度となり、売却益は1.2兆円超と見込まれる。3回の売却による調達額は計4兆円規模になり、東日本大震災の復興財源に充てる。

   また、今回、日本郵政株の売却発表に先立って、日本郵政が保有するかんぽ生命株の売却も決まった。かんぽ生命が自社株買い(4月8日、約3500万株)をした関係で、市場への放出株数は最大1.5億株余りになり、自社株買い分を含め、日本郵政が手にする売却総額は4000億円以上。日本郵政のかんぽ生命株保有比率は、これまでの89%から65%程度に下がる。

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