新元号「令和」元年が、間もなくに迫った。
今夏(2019年)の高校野球は、令和初の開催となるわけだが、今、ネット上で物議をかもしているテーマがある。高校球児の「丸刈り」は、新時代になっても継承されていくのだろうか...? という話である。
創設当時は「野球道」という考え方が
高校野球(当時は別名)第1回大会は、1915年(大正4年)、現在の甲子園球場ではなく、大阪府の豊中グラウンドで行われた。令和元年の夏は、101回大会となる。
この間、大正、昭和、そして平成と、高校球児と言えば「丸刈り」が当たり前だった。しかし、「令和」を迎えようとする今、高校球児の「丸刈り」について、さまざまな議論が巻き起こっている。「いつまで丸刈り?」「長髪じゃ、ダメなの?」。この件について、日本高校野球連盟(=高野連、大阪市西区)の竹中雅彦事務局長に話を聞いた。
竹中事務局長によると、
「1915年頃は、『武道(剣道、柔道、相撲等)』と同じで『野球道』という考え方だったんですね。いわゆる『武士道』に近い考え方です。また当時は、第1次世界大戦が勃発した時期。日本はまだ、物資も乏しく、衛生面でも問題を抱えていましたから、必然的に多くの男の子は『丸刈り』となっていたようです」
加えて、当時の旧日本軍、特に陸軍では、丸刈りが基本。その影響もあって、戦前の日本の若者にとっては、丸刈りが当たり前だった。
しかし、それは大正、昭和の話。一般の中学生や高校生の間では「丸刈り」はむしろ珍しくなり、野球に対する見方も変わりつつある今、高校球児の「丸刈り」について、議論が起こるのも理解できる。
まずは「丸刈り」は強制なのか? という話だ。