日本のプロ野球選手がサヨナラ弾後に「バク宙」を披露したところ、アメリカの大リーグファンから辛らつな意見が寄せられている。
日本とアメリカの文化の違いが浮き彫りとなったが、北海道日本ハムファイターズの元選手は「日本のリーグで日本のルールでやってるので、別にいいんじゃないかなぁと...」と理解を示す。
現地メディア「皆の一番の敵になるだろう」
福岡ソフトバンクホークスは2019年4月25日のオリックス・バファローズ戦で、延長10回無死二、三塁からサヨナラ3ランで試合を決めた。
殊勲打を放った明石健志選手は、ホームベース手前でヘルメットを投げ捨て、側転からのバク宙で生還した。
明石選手はヒーローインタビューで、「(球団OBの)秋山幸二さんに憧れて、サヨナラホームランを打ったらバク宙をしたいと思っていた」と感無量でコメント。初サヨナラ打で秋山氏の代名詞を決めた。
試合後、"バク宙ホームイン"は海の向こうで議論となった。米大リーグ機構(MLB)の公式動画サイト「Cut4」で紹介されると、SNS上では現地の野球ファンの間で賛否が起こった。
米CBSスポーツ電子版の25日付記事(現地時間)では、「メジャーで同様の行為をした場合、残りのシーズンは皆の一番の敵になるだろう」と指摘している。
バク宙は「暗黙のルール」に抵触
日本のスポーツメディアが海外の反応を報じると、日本の野球ファンからは「暗黙のルールとかいつまで続けるのかな?」「MLBのプレーは、スケールが大きいのに...寛容度は低い」と異論がネット上で相次いだ。元日本ハムファイターズの榎下陽大氏も27日にツイッターで、「国際試合で外国のチームを相手に同じことをやったら問題になるかもしれないけど、日本のリーグで日本のルールでやってるので、別にいいんじゃないかなぁと...」と口をそろえた。
「暗黙のルール」をめぐっては、J-CASTニュースが4月21日、「丸ポーズ論争がMLBだと『そもそも起こり得ない』理由」で詳報した。
日米の球団で働いていた関係者は「メジャーでは、打者がピッチャーに対して少しでも侮辱とみられる態度を取ったら即刻、報復(死球)が待っています」と取材に話し、例えば、MLBには本塁打を放った際の正しいベースランの方法があるとした。ベースを一周する際には視線を下げ、淡々とランニングすること。もちろんランニング中のガッツポーズは絶対にNGで、にやついた表情さえ投手への侮辱ととらえかねないという。