反省の弁なかった経産相
今回、世耕弘成経産相は「延命に手を貸すつもりはない」とたんかを切ったが、重要部品と位置付けた液晶が「コモディティ(汎用品)になった」(経産省幹部)という読み違いへの反省の弁はなかった。
ひとまず再建の道筋は決まったが、先行きは不透明感がぬぐえない。
当面の難題の一つは、台中連合3社が計画通りに出資を機関決定できるか。これは信じるしかないが、現行の株価より大幅なディスカウントで出資を受けるので、JDIの株主総会(6月)で承認を得るのも、そう簡単ではない。
もう一つ、米当局の審査も懸念材料だ。対中強硬路線をとるトランプ政権は安全保障上の観点から中国資本による買収に神経をとがらせており、アップル向けの取引が多いJDIに中国資本が入ることをどうみるか。特に台中連合が中国にJDIと協力して有機EL工場を建設する計画といわれるだけに、米当局の判断が注目される。
こうしたハードルを乗り越えたとしても、経営再建は容易でない。第1のポイントは有機EL。スマホのディスプレーは液晶からこちらへ、ますます切り替わっていくのが確実。JDIが2019年後半、アップルへ腕時計型端末「アップルウオッチ」向けの有機ELパネル供給を始める予定で、有機EL市場にようやく参入する。ただ、先行するサムスンなど韓国勢などは巨額の投資で逃げ切りを図っており、出遅れをいかに挽回するかが課題だ。