ある県立高校の頭髪に関する校則を紹介する画像がツイッター上で出回り、ネット上では疑問視する声が相次いでいる。
髪や眉に関するルールを写した画像で、「サイドを短くする」「横髪が出ている」などと違反の髪型が定められているのが確認できる。
投稿者「ルールが細かい!!!」
発端は、2019年4月24日夜、合法先生(@barbeejill3)というツイッターユーザーが投稿した写真。ある県立高校生からもらった画像として紹介し、
「ルールが細かい!!! この画像のような髪型にしたら風紀が乱れるのか?秩序は守れないのか? どれも高校生らしくていいと思うけどな」
とツイッター上で指摘していた。
この画像では、「前髪は眉の下を越えない」「(女子)ピンで留める時は眉にかからない」など前髪や眉のルールのほか、「サイドを短くする」「ソフトモヒカン」(いずれも男子)、「横髪が出ている」「耳より上でくくらない」(いずれも女子)などと、違反の髪型が挙げられているのが確認できる。
投稿された画像をめぐって、ツイッター上では、
「髪型なんて自由でいいと思うけど」
「んー、百年くらい前の校則でしょうか?」
「根強く残る昭和」
など、ルールを疑問視する声が上がった。
学校関係者「運動しやすい髪や髪にこだわらず頑張るという趣旨」
J-CASTニュース編集部の取材で、写っていた資料が愛媛県のとある県立高校で、新入生向けの手引きに使われていることが判明。4月26日、学校関係者に取材したところによると、6年ほど前からあるもので、学校で作ったものかははっきりしないという。
関係者は取材に対し、「いろんな文化や学校の考え方があっていいと思う」としつつも、「本校は、文武両道で特に運動が盛んで、運動しやすい髪や髪にこだわらず頑張るという趣旨を決めている」などと答えた。入学式の時から「3年間このようにしましょう」と呼び掛けているという。身だしなみ検査は、年に8回実施している。
規則をめぐって生徒からの反対の声があるか尋ねると、「あまりない」と答えた。「そこまで(反対の声は)上がってきてないと思う。心の中で思っている生徒もいるかもわからないが、学校の特徴を入学時から生徒もわかってくれているんじゃないか」と話していた。
識者はどうみているか。『ブラック校則』(東洋館出版社)の著者として知られる、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授は「髪型のコントロールは子どもの主体性を押しつぶしている」と語気を強めて批判した。
内田さんは「『ルールを変える手間は大変だからやむなくやっている』というような答えならしょうがないが、そんな教育意義は通用しない」と強調。「髪は長くたってスポーツはできるし、パフォーマンスに影響するのか。長かったら自分で(髪型を)変えると思うので、上から押し付けることに理由が立たない。校則全般に見られる傾向です」と話していた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)