配達員がうちのポストの中の郵便物を勝手に見ていた――。ある女性がドアホン映像にそんな姿が残っていたと不安を訴えた。
会社側は、表札が無かったため名前を確認する目的だったとしたが、「当社が定めた確認行為ではありません」と謝罪した。
ネット上では、「非常識極まりない」との意見がある一方、「名前をちゃんと書かない方も問題」と配達員の行動に理解を示す向きもある。
配達先に表札がない場合、宅配会社はどのように確認するのか。大手3社に聞いた。
「不在票を誤配してクレームになることもある」
「被害」に遭ったのは、都内の集合住宅に住む20代の女性。2019年4月中旬に自宅のドアホンの記録を確認した際、配達員とみられる男が郵便ポストを開け、郵便物の裏表を見ている姿が映っていた。ポストには宅配会社の不在連絡票が投函されていたため、特定にいたった。
この宅配会社の広報担当者は4月19日、J-CASTニュースの取材に、配達員は協力会社のドライバーだと明かした。本人に聞き取りをしたところ、表札が無かったため配達先の名前を確認するために郵便物を調べたというが、「当社が定めた確認行為ではありません」として謝罪。正規の確認方法については回答が得られなかった。
J-CASTニュースで19日、「配達員が、ポストの中身を勝手に... ドアホン映像に女性不安、会社側が『心よりお詫び』」と報じると、複数の情報番組でも取り上げられ、ネット上では是非をめぐり議論となった。
「非常識極まりない行為で問題視するのは当然ではある。ただ一方で名前をちゃんと書かない方も問題だとは思うが...」
「同業ですが、せめてポストに住所、名字だけでも表示して欲しいと常に思う。不在票を誤配してクレームになることもある」
7割が「表札」出さず
住宅情報サイト「suumoジャーナル」が賃貸住宅に住む男女を対象にした2016年の調査では、表札を出していない人は74.7%だった。主な理由に「防犯、プライバシーを守りたい」「訪問販売がいやだから」が上がっている。
表札が無い場合、宅配会社はどう対応しているのか。ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便ではいずれも客の郵便受けの中身を確認することはなく、過去に同様の行為で苦情が来たケースも無いという。
ヤマト運輸は対応方法を、「送り状の住所と現地の住所を、投函前にもう一度つけあわせて間違いがないか確認する」と説明。
日本郵便は「配達先にお住まいになっている方の情報も含め、表札などがなくても配達ができる体制を整えています」と回答。客への要望として「配達先にお住まいになっている方の情報につきましては、配達を担当している最寄りの郵便局にご連絡を頂きますようよろしくお願いします。また、転居、転入された場合も出来るだけ早めに郵便局にご連絡頂ければ幸いです」とした。
佐川急便は、「マンションであれば管理人に確認したり、配達先に電話したりしています。それでもわからなければ、出荷人さまに指示を仰ぐのがルールとなっています」と話した。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)