山口真帆問題で、日本エンターテイナーライツ協会が声明 卒業めぐる「ファンの懸念もっとも」

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「芸能人の権利保護はまだまだ不十分」

   芸能界の契約慣行について、「日本の芸能界では、芸能活動を通常の労働業務と区別し、特別扱いしてきた背景から、タレントと芸能事務所は雇用契約ではなく、マネジメント契約を締結するのが慣行になっています。今回の芸能事務所と山口真帆さんとの契約も、形式上はマネジメント契約になっていると思われます」とした上で、

「しかしながら、山口真帆さんの活動の実態からすれば、両者の法律関係は雇用類似の契約と考えられます。実際に数多くの裁判例においても、『アイドルは労働者か否か』が争われたほんどの事例において、裁判所はアイドルを労働基準法や労働契約法上の労働者と認定しています」

と指摘。こうしたことを背景に、

「そのため、芸能事務所は、アイドルに対して安全配慮義務を負うとともに、違法な退職強要は許されません。今回の一件においても、山口真帆さんに対して違法な退職強要は無かったのか、ご本人の納得の上での卒業(退職)だったのか、ファンや多くの方々が懸念するのももっともです」

と世論に理解を示した。

   最後に、「私たちは、芸能人やアイドル、タレントの権利を守るために戦っていますが、地方アイドル・ご当地アイドルも含めて、芸能人の権利保護はまだまだ不十分であると考えております」という問題意識のもと、

「行政は、芸能人の権利を守るために早急に実態調査をし、昨今のアイドル業界での実態を把握するべきです。また同時に、私たちは、芸能人の権利を守るための法整備が求められていると考えます」

と訴えた。

   同協会は芸能人の「権利保護」「セカンドキャリア形成」「地位向上」などのための活動をしている。共同代表理事は、望月宣武弁護士(日本羅針盤法律事務所)、向原栄大朗弁護士(向原総合法律事務所)、安井飛鳥弁護士(法律事務所くらふと)、河西邦剛弁護士(レイ法律事務所)、佐藤大和弁護士(レイ法律事務所)らがつとめている。

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