アイドルグループ「NGT48」の山口真帆さん(23)が卒業を発表したことを受け、弁護士らで構成される「芸能人の権利を守る 日本エンターテイナーライツ協会」が2019年4月25日、声明を発表した。
声明では、「山口真帆さんに対して違法な退職強要は無かったのか、ご本人の納得の上での卒業(退職)だったのか、ファンや多くの方々が懸念するのももっともです」とグループ運営側の体制に疑問を提示。芸能人の権利を守るための法整備の必要性を訴えた。
「人権侵害といえるような事例も少なくありません」
18年12月に男2人から暴行被害を受けたことを涙ながらに訴えた山口さんだが、運営会社AKSと見解の食い違いが埋まらないまま、4月21日のNGT公演で卒業を発表した。
日本エンターテイナーライツ協会は25日、共同代表理事一同の名義で、「山口真帆さんの卒業表明について」と題する声明を発表。まず「現在に至るまで、芸能人やアイドルの人権や権利については、芸能界においてタブー視され、軽んじられてきた傾向があります。その原因の一つには、アイドル・芸能人の『働き方』の特殊性があり、芸能人の法的地位が曖昧であることもあります」と芸能界全体に対する問題意識を示し、
「今回の一件は、今までアイドルの権利が軽視されてきた結果の一つですし、氷山の一角に過ぎません。実際、契約上は労働者ではないという前提のもと労働者としての最低限の権利も保障されていなかったり、アイドル特有の様々なハラスメントを受けたり、芸能事務所を辞められなかったりと、人権侵害といえるような事例も少なくありません」
と山口さんをめぐる一連の問題にも触れた。