なぜ「上級国民」への怒りは絶えないのか 池袋事故に専門家「条件そろってしまった」

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   東京・池袋で死者2人・負傷者8人を出した自動車暴走事故について、インターネット上では運転手の飯塚幸三氏(87)を「上級国民」と呼んで怒りをぶつける風潮が収束しない。

   2019年4月19日の事故直後から「上級国民だから逮捕されない」という根拠不明の憶測が流れており、その後ツイッターでは「#上級国民」とハッシュタグでの投稿が相次ぐなどしている。過熱する「上級国民」バッシングについてITジャーナリストは「条件的にそろってしまった」と指摘する。

  • 東京・池袋の事故現場には現在、人々が花束などを供え、被害者を悼んでいる(2019年4月23日撮影)
    東京・池袋の事故現場には現在、人々が花束などを供え、被害者を悼んでいる(2019年4月23日撮影)
  • 東京・池袋の事故現場。暴走し大破した乗用車(右)と、衝突され横転したゴミ収集車(左)(2019年4月19日撮影、ユーザー提供、一部加工)
    東京・池袋の事故現場。暴走し大破した乗用車(右)と、衝突され横転したゴミ収集車(左)(2019年4月19日撮影、ユーザー提供、一部加工)
  • 東京・池袋の事故現場には現在、人々が花束などを供え、被害者を悼んでいる(2019年4月23日撮影)
  • 東京・池袋の事故現場。暴走し大破した乗用車(右)と、衝突され横転したゴミ収集車(左)(2019年4月19日撮影、ユーザー提供、一部加工)

「それでも『上級国民』ネタが鎮火しないのはなぜか?」

   旧通商産業省(現在の経済産業省)工業技術院院長で各種団体・企業の重役を歴任した飯塚氏。事故後には負傷で入院し、警視庁は回復を待って自動運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で任意の事情聴取を行うことになったため、現行犯逮捕されなかった。報道では「容疑者」ではなく「さん」「元院長」などの呼称が使われた。こうした事実が疑問を招き、一般国民よりも優遇された「上級国民」なのではないか、との憶測が広がるにつれ、

「あんだけの事件起こして置いて上級国民やから逮捕されないだと?」
「容疑者って名前に付けろよ いつまで元上級国民官僚だからって『さん』付けしてるの?」
「上級国民だからって忖度されまくりですか」

などと怒りの声が噴出した。

   逮捕や報道の扱いについての考察はJ-CASTニュースが22日「池袋暴走『逮捕されない』本当の理由とは 弁護士が指摘する『あえてしない』可能性」の見出しで報じた通りだが、ツイッターでは「それでも『上級国民』ネタが鎮火しないのはなぜか?」「そんなこと分かった上で不公平を感じる人が多いから『上級国民』と言う言葉が出てくるのでは?」といった声が相次いだ。

   参考までにGoogleでのキーワード検索頻度が分かる「Googleトレンド」で「上級国民」を調べると、検索頻度は19日21時から急増している。その後アップダウンを繰り返しながら4日後の23日夕現在まで検索され続けており、最も高い数値となったのは事故3日後の22日18時。勢いはなかなか衰えない。

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