TBS系の情報番組「ゴゴスマ」(名古屋・CBCテレビ制作)で、コメンテーターの武田邦彦中部大教授(75)が高齢者に免許返納を求めることについて、「老人イジメじゃないの?」と指摘した。
この発言にツイッター上で異論も続出して、議論になっている。
「20歳代の人には、なんで返納求めないの?」
2019年4月23日放送の番組では、高齢ドライバーによる重大事故が続発している現状を特集し、75歳以上になると運転に自信があると答える人が増えるという調査結果も紹介された。
「年齢がいくと自信がなくなるという根拠はどこにある?」。武田さんは、この調査に不満をぶつけ、「何かみんな先入観があるんじゃない? 老人になると自信を失ってほしいとか」と漏らした。
そして、むしろ20歳代が免許を返納すべきじゃないかと持論をぶった。事故率と死亡率が一番大きいからだといい、「20歳代の人には、なんで返納求めないの?」と疑問も呈した。
司会の石井亮次アナ(42)は、「これは何と答えればいいんでしょうか?」と戸惑ったが、武田さんは、こう主張した。
「これ、老人イジメじゃないの?」
特別解説委員の石塚元章さん(61)は、交通安全白書を見ると、運転ミスは、75歳以上になると倍にも増えると紹介したが、武田さんは、「それはね、情報操作なの、警察庁の」と譲らなかった。
「運転を安全にするってのは、技術だけの問題じゃないんですよ。心理的な問題ですね。20代の事故率がなぜ高いかって言ったら、乱暴だからなんですよ。だから、その調査の中に、乱暴性も入れなきゃいけない」
武田さんによると、高齢者は、運転ミスが増えても、慎重さが上がって事故率は低いのだという。
「こういう考えの高齢者が事故起こす」と異論も
「なんで、家族は、20代の人に声かけないの?」。武田さんは、なおもこう食い下がり、石塚さんが、警察庁も高齢者をいじめようと思っていないと指摘すると、「間違いなく思ってます」と反論した。
運転免許の返納は、人生の一部をなくすことにつながり、地方の高齢者は、バスもなくなっている中で生きる希望を失うと指摘した。「老人をさ、思い出で生きれって言ってるね」とし、高齢者差別だともした。
自らの運転については、「若いときも今も、車で家を出るときが一番、僕の人生での危険なときですよ。交通事故っていうのは、突然起こるからね。どんなに注意していても」と話した。車に乗るときは、社会に対して悪いことをする可能性があると覚悟して運転しているという。
武田さんの発言は、放送後からツイッター上などで波紋を呼び、様々な意見が書き込まれている。
「高齢ドライバー全員を非難、みたいな流れは良くない」「免許返納したら本当に地方の人間はどうするの?」などと武田さんを擁護する意見もあったが、疑問や批判の方が多い。「こういう考えの高齢者が事故起こすのでは?」「何が差別?被害者意識強すぎだろ」「池袋の件は都会なんだから返納でいいでしょ」といった声が次々に書き込まれている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)