4年に一度の統一地方選挙が行われた。政見放送での「10度!20度!30度!」「スマイルッ!!!!!」といったフレーズで知られるマック赤坂氏(70)が、東京都港区議選(以下、特筆のない場合、文中の区・市は東京都)で当選したことが話題だが、他にもインターネットでの注目候補が多数出馬していた。
主に2019年4月21日に投票が行われた、統一地方選「後半戦」の候補者に焦点を当てて、その結果を振り返ってみよう。
「都知事選候補者」が続々出馬
「最後の選挙戦」と公言していたマック赤坂氏は、07年に初出馬した地である、港区議選(定数34)に立候補。54人が出馬するなか、30位で当選した。マック氏はこれまで「(日本)スマイル党」での出馬が多かったが、今回は16年都知事選、17年都議選(世田谷区)に続いて、無所属で立候補している。
マック氏の当選ばかりに注目が集まるが、同じく16年都知事選に出馬した望月義彦氏(54、無所属)もまた、今回の港区議選に出馬していた。こちらは91票で落選となった。両氏のみならず、今回の統一地方選では、前回の都知事選候補の「くら替え出馬」が相次いだ。4月7日投票の「前半戦」では、神奈川県議選(横浜市南区、定数2)に後藤輝樹氏(36、横浜都構想を実現する会)が出馬。3人中3位で落選したが、供託金没収点は越えた。
21日の「後半戦」では、上杉隆氏(50、無所属)が中央区長選に出馬。5人中2位に食い込んで、供託金没収も免れたが、自公推薦の山本泰人氏(70、無所属新人)にダブルスコアで敗れた。また、先の知事選では後藤氏とともに話題になった高橋尚吾氏(35、無所属)は、杉並区議選(定数48)に立候補。70人の激戦のなか、62位で終わった。
元「仮面女子」も、「ニコ生主」も当選
22日の「後半戦」では、異色の経歴を持つ候補も、続々と当選を決めた。まずは、元アイドルの橋本ゆき氏(26)。東京大学文学部卒で、以前は「桜雪」の芸名で「仮面女子」として活動していた。この3月にグループを卒業し、元都議の音喜多駿氏がひきいる「あたらしい党」から渋谷区議選(定数34)に出馬。55人が競うなか、4位当選となった。
16年都知事選で、党首の立花孝志氏(現、葛飾区議)による「NHKをぶっ壊す!」のキャッチフレーズが話題になった「NHKから国民を守る党」。ここから品川区議選に出馬し、初当選した國場雄大氏(42)は、職業が「インターネット配信業」(区サイトの立候補者一覧より)だ。ニコニコ生放送の「生主」として活動歴があり、同党では久保田学氏(立川市議、生主としては「横山緑」)に次ぐ、「生主出身の地方議員」となった。
大田区議選(定数50)に出馬した、おぎの稔氏(33)は、みずから同人誌を手掛け、コミックマーケット(コミケ)に参加する地方議員として知られる。18年末に辞職したが、今回選挙に再出馬。70人中43位で当選した。
涙をのんだユーチューバーたち
一方、涙をのんだ候補も。大田区議選には、「ユーチューバー推進党」の新顔、高橋ひろむ氏(26)も出馬した。「好きなことで、生きていける世の中を」をキャッチフレーズに、クリエイター活動のための法整備や、ロビー活動のための業界団体設立などを公約に掲げたが、67位で落選した。
「論文YouTuber」を自称する笹谷ゆうや氏(25、無所属)は、豊島区議選(定数36)に出馬した。豊島区の魅力を伝えるチャンネルを別途設け、選挙期間中にも動画を連日投稿。最年少当選を目指したが、51人中42位で落選した。
新宿区議選(定数38)候補の浜野ひであき氏(38)は、「もっちょさん」なるキャラクターに扮して、選挙戦にのぞんだ。渡辺喜美・元みんなの党代表がひきいる、同名の政治団体「みんなの党」から出馬したが、53人中最下位となった。
元国会議員の市議転身も
なかには元国会議員の地方議員転身も。衆院を1期務めた田中美絵子氏(43、無所属)は、4月21日の石川県金沢市議選にトップ当選。「前半戦」では、松浪健太元衆院議員(47、大阪維新)が大阪府議選に当選。名古屋市議選では、佐藤夕子元衆院議員(56、減税日本)も当選している。首長から市議への転身では、かつて「ブログ市長」として名を馳せた、鹿児島県阿久根市の竹原信一元市長(60)が、21日の同市議選でトップ当選した。
なお今回の統一地方選では、タレント議員の再選も相次いだ。前半戦では、熊本県議の松野明美氏(50、元マラソン・ソウル五輪代表)、千葉県議のプリティ長嶋氏(64、ものまねタレント)らが。後半戦では、文京区議の西村修氏(47、プロレスラー)、世田谷区議の青空好児氏(75、漫才コンビ「青空球児・好児」)らが、いずれも無所属で再選を果たしている。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)