山口真帆、無念の卒業理由激白の全文 「人の命より大切なものが何か、分かりません」

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   ファンを名乗る男に暴行被害を受けたNGT48の山口真帆さん(23)が、2019年4月21日、約3か月ぶりにNGT48劇場(新潟市)での公演に出演しグループからの卒業を表明した。山口さんは、事案をツイッターで告発してからも「寄り添ってくれた」メンバーとして菅原りこさん(18)、長谷川玲奈さん(18)、村雲颯香さん(21)の3人を挙げ、そのうち菅原さんと長谷川さんが卒業を表明した。

   第三者委員会の調査では、メンバーのうち12人について、ファンとの私的な交流を指す「つながり」が取り沙汰されたが、運営会社のAKSは「不問」にするとしていた。山口さんはこのことを念頭に、NGTを「何をしても不問なこのグループ」と表現。「私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました」などと訴えた。新潟県や新潟市はNGT48の起用を保留した状態。世論や行政が被害者のケアを求める中で、AKSが被害者に寄り添わなかったとの認識が被害者本人から明示的に示されたことで、信頼回復はきわめて困難な局面になった。

  • NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)
    NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)
  • NGT48の山口真帆さん(2017年6月撮影)

「アイドルできる居場所なくなった」

   山口さんは3月22日に運営会社のAKSが開いた会見に対して、ツイッターでリアルタイムに反論を展開したのに加えて、最近になってもAKSに批判的なツイートに「いいね!」をつけるなどしており、AKSとの溝は埋まっていないとみられていた。

   山口さんは今回の劇場公演の最後に、約9分間にわたって卒業を決意した理由を説明した。山口さんに暴行を加えた男が不起訴になったことを受け、AKSの吉成夏子社長が「イコール事件じゃないということだ」「今は、会社を攻撃する加害者だ」などと発言したと説明。こういったAKSの対応を受け、

「何をしても不問なこのグループに、もうここには、私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました。目をそらしてはいけない問題に対して、『そらさないなら辞めろ、新生NGT48を始められない』というのが、このグループの答えでした」
「私には人の命より大切なものが何か、分かりません」
「今の私にNGT48のためにできることは、卒業しかありません」

などと訴えた。

 

   山口さんは、卒業発表までは笑顔で出演。卒業発表のあいさつの終盤では

「こうしてみんなとステージに立って、みんなで公演をして、ファンの方に声援をいただいて、メンバーのみんなやファンの皆さんと出会えたことが幸せです。NGT48になって良かったなと思います」

とファンへの感謝の言葉を繰り返し口にした。

 

   山口さんは菅原さん、長谷川さんとともに、5月18日の卒業公演でNGTメンバーとしての活動を終える。山口さんの卒業発表の発言は以下のとおり。

「ちょっと待ってください。私、山口真帆は、NGT48を卒業します。今日はちゃんと紙に書いてきたので、今まで皆さんに黙っていた思いを言いたいと思います。私はアイドル、このグループが大好きでした。だからこそ、このグループに変わってほしかったし、自分が辛かったからこそ、大切な仲間たちに同じ思いをしてほしくないと、すべてを捨てる覚悟で取った行動でした。事件のことを発信した際、社長には『不起訴になった。イコール事件じゃないということだ』と言われ、そして『今は、会社を攻撃する加害者だ』とまで言われていますが、ただメンバーを守りたい、真面目に活動したい、健全なアイドル活動ができる場所であってほしかっただけで、何をしても不問なこのグループに、もうここには、私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました。目をそらしてはいけない問題に対して、『そらさないなら辞めろ、新生NGT48を始められない』というのが、このグループの答えでした。だけど、この環境を変えなければ、また同じ事が繰り返されると思い、今日までずっと耐えて最善を尽くしましたが、私にできたことはほんのわずかなことでした。私には人の命より大切なものが何か、分かりません。大切な仲間達が安全にアイドルをできる毎日になってほしいと、心から願っています。
 そして、私がこうして世間に発信してからも寄り添ってくれたのは、玲奈(長谷川さん)とりこ(菅原さん)と、もふ(村雲さん)でした。みんなの今後が決まったら、この発表をすると決めていました。今の私にNGT48のためにできることは、卒業しかありません。
 ファンの皆様には、本当に申し訳ないと思っています。沢山の方が応援してくれて、私のもとには同じような被害に遭った方からもメッセージが寄せられ、私を見て勇気や元気が出たとおっしゃってくださる方もいました。ですが、結果的にこのような形になってしまったこと、その方たちの希望もなくしてしまったのではないかと、とても申し訳ない思いでいっぱいです。正しいことをしている人が報われない世の中でも、正しいことをしている人が損をしてしまう世の中では、私はあってはいけないと私は思います。沢山の方が、私のために自分の時間を削って、私のことを支えてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今後は、皆さんご自身のために、楽しいことに時間を使い、幸せになってほしいです。皆さんが私に幸せになってほしいと願ってくれたように、私もそう願っています。そして私を今まで支えてくださったファンの皆さん、このような形で卒業することになってしまい、本当に申し訳ありません。以前のように歌って踊って、毎週のように握手会があって、お互いに『またね』と言い合いたいのですが、5月5日と6日の握手会で、最後の握手会になります。今までお休みをさせていただいていた握手会も、そこで振り替えをさせていただきます。そこで『またね』の続きができたら嬉しいなと思います。そこでは一緒に夢の話をしましょう。そして最終活動日はれなとりこといっしょに、5月18日の卒業公演になります。
 ケガで今日の公演に出られていなかったりこと、リハビリを頑張って、またステージで笑顔で、今度は夢に向かって、歩いていく姿を皆さんに見せられたら嬉しいです。私がこれからできることは、今の苦しい姿ではなくて、笑顔で幸せな姿を見せて、皆さんに元気を与えることだと思います。皆さんが私を助けてくれたように、私も困っている人に手を差し伸べられる人でありたいなと思います。ひとりの人として、また皆さんに愛してもらえるように、頑張ります。そして、今回のことで、私はNGT48にならなきゃ良かったんじゃないか、と思うこともありました。だけどやっぱり、こうしてみんなとステージに立って、みんなで公演をして、ファンの方に声援をいただいて、メンバーのみんなやファンの皆さんと出会えたことが幸せです。NGT48になって良かったなと思います。メンバーのみんなにもファンのみんなにもこれからの人生まっすぐ生きて、みんなには笑っていてほしいなと思います。残り1か月もありませんが、最後までひとりの人としても、NGT48として皆さんに今度は笑顔でまたお会いできたら嬉しいと思います。あと少しの間ですが、どうぞよろしくお願いします」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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