部分的な柔軟化か、根本的な見直しか
もちろん、FC店との関係の重要さは昔も今も変わらない。今回の社長交代について、井阪HD社長は「組織的なコミュニケーションのパイプの目詰まりがあった」と述べ、現場を掌握できていない状況への危機感をあらわにした。直接のきっかけが東大阪問題で、そうした現場の混乱について経営陣に正確な情報が伝わっていなかったとされる。永松新社長は人事畑でFC店の経営指導や労務管理に携わった経験が豊富で、FC店との信頼再構築に適任との判断があるとみられる。
セブンに限らず、コンビニ各社はここにきて、出店の抑制と人手不足対策を軸としたFC店への支援強化に動く。セブンは2019年度の国内店舗の増加数を150店と、40年ぶりの低水準に設定。ローソンも同年度の店舗数は増減ゼロにする。FC店支援策では、セブンに限らず、セルフレジ(客が機械にバーコードを読み取らせて決済)の全店導入を打ち出したほか、スマホ決済の実験など、省人化に積極的に投資する方針を打ち出している。
大手コンビニ各社はこうした対応で24時間営業の基本を守りたい考えだが、部分的な柔軟化で収まるのか、根本的見直しに進むのか、見極めるにはまだ時間が必要だ。