前社長は実質的な「更迭」か
セブン-イレブン・ジャパンが2019年4月4日発表したトップ人事は、8日付で古屋一樹社長(69)が代表権のない会長に退き、後任に永松文彦副社長(62)が昇格するというものだった。永松氏は3月に副社長に就任したばかりで、わずか1カ月での社長昇格は極めて異例。会見に出席したのは親会社のセブン&アイ・ホールディングス(HD)の井阪隆一社長と永松氏だけで、古谷氏の姿はなかったこともあって、事実上の更迭人事との見方がある。
突然のトップ人事の背景にあるのが、24時間営業を巡る混乱だ。2月、大阪府東大阪市のフランチャイズ(FC)加盟店オーナーが、人手不足を理由にセブン本部の同意がないまま営業時間の短縮に踏み切り、本部が契約違反だとして対立、一部のFC店オーナーらも終日営業の見直しを求める声を上げた。24時間営業への社会の関心が高まるなか、経済産業省は、人手不足に対する行動計画を大手コンビニに要請する事態に発展。セブン側も、3月下旬以降、直営10店で営業時間を短縮する実証実験を始め、他のコンビニチェーンはセブン以上の規模で同様実験をするところもあるなど、各チェーンは対応に追われている。