丸ポーズ論争がMLBだと「そもそも起こり得ない」理由

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   巨人の丸佳浩外野手(30)の「丸ポーズ」が波紋を呼んでいる。

   発端となったのは、2019年4月17日の広島戦で丸が本塁打を放ったあとに自軍ベンチで見せたパフォーマンス。巨人に移籍してから始めたもので、すでに恒例となっているが、広島出身の2人組バンド・ポルノグラフィティの新藤晴一さん(44)が自身のツイッターで苦言を呈したことで、ネット上では「丸ポーズ」が大きな話題となり、賛否両論の声が上がっている。

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かつてはラミちゃんの「ゲッツ」、今ではレアードの「スシポーズ」

   日本のプロ野球では、本塁打を放った選手がベンチで歓喜のパフォーマンスをすることは決して珍しくはない。過去には、現DeNAのアレックス・ラミレス監督(44)が現役時代、本塁打を打った後のパフォーマンスで人気者に。現在では、ソフトバンク・松田宣浩内野手(35)の「熱男!」の絶叫パフォーマンスや、ロッテ・ブランドン・レアード内野手(31)の「スシポーズ」が有名なところで、ファンを楽しませている。

   古巣相手に今季初の本塁打となった17日の広島戦。広島ファンの前での「丸ポーズ」のお披露目は、当然のことながら今季初めて。最下位に低迷するかつての所属チームから逆転の2ランを放ったことも、広島ファンの「怒り」や「嫉妬」の対象となったのかもしれない。「丸ポーズ」に関しては、「問題視するレベルにない」とする声の一方で「敬意」に欠けるとの声も上がっている。

   MLB、日本球団と日米の球団で職員として勤めていた関係者は「丸ポーズ」について「全く問題ない。ただの妬みでしかない」とした上で、次のように続けた。「日本ではファンを喜ばせる意味もあるパフォーマンスですが、メジャーではこのようなパフォーマンスをする選手はいません。これは日本とアメリカの文化の違いでしょう。メジャーでは、打者がピッチャーに対して少しでも侮辱とみられる態度を取ったら即刻、報復が待っていますから」

うっかり喜ぼうものなら...

   前出の関係者によると、MLBには本塁打を放った打者は投手を刺激してはいけないという「暗黙の了解」がある。例えば、MLBには本塁打を放った際の正しいベースランの方法があるという。ベースを一周する際には視線を下げ、淡々とランニングすること。もちろんランニング中のガッツポーズは絶対にNGで、にやついた表情さえ投手への侮辱ととらえかねない。

   打席においても同じく「暗黙の了解」がある。今シーズンのMLBで、これを破る行為があった。19年4月7日(日本時間8日)、パイレーツVSレッズ戦のことだ。2回にレッズのデレク・ディートリッヒ内野手(29)が本塁打を放った際に、数秒間、打席にとどまり打球が場外に消えるのを見届けた。相手投手はこの行為を「侮辱」を受け取り、4回のディートリッヒの打席で「報復」を。149キロの直球をディートリッヒの背面に投げ、次の瞬間、両軍乱れての大乱闘が勃発した。

   前出の関係者は「アメリカではホームランを打った後に日本のようにベンチで感情を爆発させるのはリトルリーグくらい。メジャーでは侮辱行為があった場合、自身が報復を受けるのではなく、次の打者が報復を受けるケースもあり、チームメイトに迷惑がかかってしまうのでホームランを打った選手は謙虚な姿勢を心がけます。レアードは日本でベースラン中にスシポーズをやりますが、あれをメジャーでやったら大変なことになりますよ」と話した。

   巨人ファンにとっては大いに盛り上がる「丸ポーズ」。一方、古巣広島ファンはやりきれない思いがあるかもしれない。

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