白衣の天使は「白衣の戦士!」をどう見るか? 元看護師に実情を聞いてみた

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   女優の中条あやみさん(22)と水川あさみさん(35)がダブル主演するドラマ「白衣の戦士!」(日本テレビ系)の第2回が、2019年4月17日に放送された。

   同ドラマは中条さん演じる新人看護師・立花はるかと、水川さん演じるベテランナース・三原夏美が看護に奮闘する様子を描くコメディー。第2回では、同僚の優秀さに劣等感を抱くあまり退院を恐れる入院患者・真理子(堀田真由さん=21)が、勤務先の銀行のIDカードを病院の庭のゴミ箱に捨ててしまうも、そのIDカードをはるかがゴミ袋の山から発見し、退職を思いとどまるようアシストする様子などが描かれたが、一部の視聴者の注目を集めたのが、その、「ゴミあさり」のシーンだ。

  • 中条あやみさん(2018年撮影)
    中条あやみさん(2018年撮影)
  • 中条あやみさん(2018年撮影)

集積所から「ゴミあさり」

   番組中盤、画面に映ったのは、病院のゴミ集積所にうずたかく積まれたゴミ袋の山。これより前のシーンでは、はるかが庭のゴミ袋を見に行くも、すでにゴミが回収された後の様子が描かれており、IDカードを発見するには、まさに「ラストチャンス」の状況。大量のゴミ袋を目にするも全くめげる様子を見せないはるかは、ゴミ袋を1つ1つ開封してその中を捜索。すると、夏美もそこに加わり、人海戦術でのIDカードが続いた。

   そして、ゴミ袋の山が半分ほど崩された頃、はるかがIDカードを発見。無事、真理子の手に戻ったが、その顛末を見た看護師とみられる視聴者から、「こういうことはよくある」とする声が次々とネット上に上がった。

   あるツイッターアカウントは、「主人公がゴミ漁りしてるシーンあるけど、ナースのゴミ漁りって日常茶飯事よね...(遠い目)」と、かつて自らが同じ経験をしたことがあるという思い出を吐露。ほかにも、

「ゴミ捨て場を漁るあのシーン。探しているものが、体温計・滅菌セッシ・麻薬パッチとかだったら世の中の看護師達から爆裂的な共感を得られたはずなのに...製作陣も惜しいことしましたね」

   と、スタッフの作り込みが「あと1歩」だったことを指摘している。また、中には「ちなみに自分も、利用者の入れ歯探してゴミ漁りしたことある」と、驚きの物品を探した経験を明かすツイートもあったほどだ。

患者が失くしてしまう代表例は...

   ドラマの反響を受け、J-CASTニュース編集部は、数年前まで看護師として勤務していた東京都内在住の30代女性に、「看護師のゴミあさり」の実情について話を聞いた。

「患者さんから遺失物の捜索を要求されることは非常に多かったですが、まずはベッド周辺など、患者さんの周辺から探します。それでも見つからなかったため、病室のゴミ箱の中を捜索することは何度かありました。なお、遺失物の代表例は処方薬。なくさないように注意はするのですが、それでも、なくしてしまう患者さんは多かったです。ちなみに、私も入れ歯を探したことがあります」

   なお、ドラマ中では、中条さんがゴミをあさる際には無色透明のビニール手袋を着用していたが、その厚さは非常に薄いものだった。病院のゴミをあさる上での危険性はあるのだろうか。

「本来であれば、病院内の一般ゴミと医療廃棄物は厳格に区別されて回収され、集積所も違うはずです。ただ、ずさんな管理をしている病院がないとは言い切れないところがあるのも実情。あさるのが一般ゴミだったとしても、私は100%安心することはできません。また、当該シーンで中条さんは看護服のままゴミあさりをしており、その後のシーンでIDカードを手渡していたとのことですが、現実の世界でそういうことをやるのであれば、IDカードを手渡す際の看護服が同じものでないことを願うばかりです」

   なお、ドラマ中では、IDカードは発見後に消毒されていたことが明かされていた。また、これに加え、自身の「紛失劇」についても明かしてくれた。

体温計1本失くしても「始末書」

「病院は医療器具に対する管理はこれでもかというぐらい厳重です。私も体温計をなくしたことがありましたが、1本であっても当然、それは始末書の対象。散々探しても見つからず、始末書を書く羽目になりました。また、ほかの人がなくした血圧計、血糖値測定器、酸素濃度測定器を探すのを手伝ったことがあります。また、実際になくしたことはないのですが、やはり、麻酔薬や筋弛緩剤など、劇薬に指定されているものは非常に管理が厳しい。1日に複数回にわたって在庫を確認するのはもちろん、仮になくなったとなればチーム総出で捜索。どうしても数が合わない場合は警察に届けることになります」

   第1回放送時には、「開始1分で数え切れないくらいツッコミどころが...」など、実際の医療の現場とは違うとの声が殺到していたが、第2回の「ゴミあさりシーン」に関しては、一転して看護師たちの共感を集めた「白衣の戦士!」。自らの経験を振り返った結果、かつての苦労を思い出した看護師たちは多かったようだ。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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