「若いころの津田梅子」として、ネット上で拡散された写真が別人物だったことが分かり、SNS上などで話題になった。
出回っていた写真は、教育事業に尽力した人物として知られる一柳満喜子(ひとつやなぎ・まきこ、1969年没)。この写真を掲載し、津田梅子として紹介するまとめサイトも複数あった。
「こちらの方がいい」との声も上がっていたが...
ツイッターでは2019年4月13日ごろから、問題の写真が出回り始めた。洋装で髪をアップにした、若くはっきりした目鼻立ちの女性だ。
あるユーザーがこの写真を津田梅子のものとして引用し、「お札の肖像は、こっちで行くべき」という趣旨のつぶやきを投稿。その後も別のユーザーがグーグルの画像検索結果のリンクを引用し、「(津田梅子の写真は)この写真が一番よい」などと投稿した。
拡散された投稿の中には、15日夜時点で2200以上リツイートされたものもあったが、この写真が「津田梅子ではなく、一柳満喜子なのでは」という趣旨の指摘がツイッターで上がった。
J-CASTニュース編集部では16日、投稿したうちの一人に取材をした。大学教員である投稿者は「誤情報を拡散した責任はあります」として、経緯を説明した。
投稿者によると、タイムラインで「若い頃の津田梅子の写真」として流れてきたものがあった。「津田梅子」と画像検索をかけ、当該の写真がヒット。流れてきたツイートの写真は著作権に問題がある恐れがあり、グーグルの画像検索結果のリンクを引用した。
一度ネット上に誤情報広がると...確認難しい
この時点で、ネット上に誤情報が載っていたため、「確かなものなのだろう」と判断。投稿者は、「間違った写真の出所を探すような画像検索まですれば防げたとは思います」としつつも、「すでにネット上に誤った情報の方が複数出ていたため、それを信じてしまった」とコメントした。
投稿者は、「今朝(編集部注:16日)、リツイートの件数に驚いて、返信欄も見てやっと間違いに気がつき、削除し、間違った情報を流してしまったことをお詫びするツイートを掲載」と振り返ったうえで、「今後は、このようなことが起こらないように注意したい」と再発防止を誓う一方で、「すでに複数の誤情報が出ている場合、写真から元の人物を特定するのは、その分野に精通している人でないと難しい」と明かし、
「人間である以上、今後も不注意から間違った情報を流す可能性はあると思われます。対策としては、リツイート数に注意して、返信が多々ある場合はそれをチェックし、早い段階で削除、訂正するしかないのではないかと思います」
としていた。
上記の通り、ネット上では以前から、まとめサイトなど、一柳満喜子の写真を津田梅子のものと取り違えて掲載しているところが存在していた。
そのうちの一つのあるサイトでは、一柳満喜子の写真を「津田梅子」として掲載。J-CASTニュース編集部で16日、サイトの運営側とされるツイッターアカウントにも取材を申し込んだところ、「過去に名前からBotで収集したもので取り違えがあったようです。削除対応させていただきます」との回答を得られた。
(J-CASTニュース編集部 田中美知生)