国土交通副大臣だった塚田一郎氏や五輪相だった桜田義孝氏が失言で辞任したが、これが安倍政権にとってどの程度深刻なダメージになったかは議論の余地がありそうだ。両者の辞任後に新聞社が行った世論調査では、いずれも支持率が微妙に上がっているからだ。
ただ、支持の理由で最も多いのが「他に良い人や政党がない」「他よりよさそう」といった消極的なもの。野党が受け皿になっていない現状を改めて浮き彫りにしている。
「他よりよさそう」「他に良い人や政党がない」の割合が増える
塚田氏と桜田氏は、それぞれ2019年4月5日と10日に辞任。その直後の週末にあたる4月13日と14日に、朝日新聞と毎日新聞がそれぞれ電話世論調査を行い、その結果が4月16日の紙面に掲載された。
朝日調査では、「あなたは、安倍内閣を支持しますか。支持しませんか」の問いに対して、「支持する」が44%で、前回3月の調査から3ポイント上昇した。「支持しない」は32%で、3月から5ポイント下落した。「支持する」と答えた人に、その理由を択一式で聞くと、最も多かったのが「他よりよさそう」の58%(前回52%)で、「政策の面」16%(同16%)、「自民党中心の内閣」14%(同19%)が続いた。
毎日新聞の調査でも、ほぼ同様の結果が出た。「安倍内閣を支持しますか」の問いには「支持する」が41%で、前回39%から2ポイント上昇。「支持しない」は37%で、前回41%から4ポイント下落した。
「支持する」と答えた人にその理由を聞いたところ、最も多かったのが「他に良い人や政党がない」52%(前回51%)で、「政策に期待している」19%(同14%)、「安倍さんを評価している」15%(同22%)が続いた。