「誰からの行為でも措置義務の対象にするべき」
内藤氏は、
「ハラスメントは人権のアプローチと安全衛生のアプローチがあり、特に後者は、誰からの行為であっても、それは関係ない(編注:加害者が誰であってもハラスメントになる、という趣旨)」
と指摘。「諸外国」の法制度や、セクハラに関する国内法の扱いに触れつつ、
「パワハラについても、セクハラと同じように誰からの行為でも(法律上の)措置義務の対象にするべきだと思っております」
と答えた。内藤氏の話に「官僚」との言葉は出てこなかったが、丸山議員は「官僚なら、仕方ない」という訳ではない、との回答を得たと理解したようで、
「合同ヒアで、大声で罵倒されていた議員の方、所属の党の方にはしっかり(今の話を)聞いて頂きたい。人権が著しく阻害されるような罵倒は行われるべきじゃない」
と苦言を呈した。さらに、野党提出の先のパワハラ規制法案にも触れ、
「他の事業者への業務上の優位性を利用して行う、当該労働者に精神的または身体的苦痛を与える言動は、事業者が是正しないといけない」
などの内容になっているとして、
「(法案を)出された党のみなさん、こうした事がないようにして頂きたい」
と皮肉も飛ばした。この後、与党提出法案にも注文を出していた。
野党による合同ヒアリングについては、たとえば2018年春には3月と4月に、「財務省『森友文書』ねつ造疑惑」や「財務次官セクハラ問題」に関するものが相次いで行われた。そうした際の模様には、一部メディアから批判的な声も挙がっており、
「野党合同ヒアリングは官僚イジメ(略)」(zakzak<夕刊フジ>、18年4月25日)
「官僚呼びつけ『まるで魔女狩り』の野党合同ヒアリング」(産経ニュース、18年5月23日)
といった見出しが並んでいた。
なお、野党提出のパワハラ規制法案に目を通すと、「附則」の項目に
「労働安全衛生法の適用を受けない国家公務員、船員等については、この法律による改正後の同法第7章の3の規定を踏まえ、必要な措置が講ぜられるものとする」
とあり、国家公務員もパワハラ被害から守ろうとする姿勢が示されている。