港湾運送の業界団体と2労組が春闘で行っていた団体交渉が決裂し、22年ぶりとなる「平日ストライキ」に突入した。
物流が一部でストップしたとの声がネット上で出ているが、どんな影響があるのだろうか。
「輸入酒絶望的で困惑」など書き込みも
「輸出入が全部ストップする」「これ物流死亡確定やんけ」「なんでニュースで報道しないの??」...
港湾ストライキが平日の2019年4月15日に行われるとの情報が前日に出回ると、ツイッターやネット掲示板などでは、こんな書き込みが相次いだ。
14日時点ではネットで配信された記事としては、日本海事新聞の電子版が報じた程度。日経テレコンのデータベースでも、事前の報道は業界紙が主だ。その後、15日の夕方になってNHKなども報じたが、大手メディアからのニュースは確認できなかったこともあり、ネット上での注目度が加速した側面もある。
全国港湾労働組合連合会の公式サイト上にアップされた情報などによると、同労組と全日本港湾運輸労働組合同盟が11日、業界団体の日本港運協会と労働条件の改善についての団体交渉を行った。しかし、最低賃金などを巡って折り合いがつかず、2労組はこの日のうちに、14、15日のスト実施を決めた。
ストは実際に、14日の午前8時30分から始まり、48時間ストとして16日の同時まで行う予定だ。2労組は、日本港運協会の対応によっては、ゴールデンウィークの10連休にストを行う可能性も示唆している。
真偽は分からないが、ネット掲示板などでは、「酒の卸、輸入酒絶望的で困惑」「船便のスケジュールやたら遅延してる」「Amazonとか入荷遅れ出てるみたい」といった状況が次々に書き込まれている。
「10連休スト」有無がわかるのは...
全国港湾労働組合連合会は4月15日、J-CASTニュースの取材に対し、郵便物や食品などについては個別に対応し、影響の出やすい離島への運送は除外しているとして、平日ストへの理解を求めた。
10連休でのストについては、各単組が実施するか確認しているといい、17日午後の闘争委員会で決めたいという。16日夕に国交省内で記者会見を行い、ストを行った経緯などを説明する予定。
業界団体の日本港運協会は15日、「交渉中の内容については、お答えを控えさせていただきたい」と取材に答えた。物流への影響については、同日昼過ぎ時点で特に連絡などは入っていないとしている。
実際に影響しているかについて、アマゾン・ジャパンの広報本部では同日、トラブルがあるかなどは分からないのでコメントできる状態ではないと取材に説明した。
日本港運協会を所管する国交省では、「調査をかけていますが、大きな影響、混乱は今のところ聞いていません。事前に荷を取りに行くケースもあると考えられ、10連休への影響も予想しづらいところがあります」と港湾経済課が取材に答えた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)