データも示す広島の苦境
開幕からの5カード連続負け越しは、07年の4カード連続を更新する球団ワーストだが、ブラウン監督が率いた07年は、60勝82敗2分で勝率.423で5位に終わっている。データ上では、過去、日本のプロ野球で開幕から4カード連続で負け越したチームが優勝したことはない。まだ開幕してから15試合を消化しただけとはいえ、「打てない」、「抑えきれない」というチーム状態に、これらのデータを重ね合わせれば決して楽観視できる状況ではないだろう。
昨オフは丸佳浩外野手(30)の巨人移籍に新井貴浩氏(42)の引退もあり、チームが転換期を迎えていることは確か。その一方で、昨オフは「自前」のチーム作りの方針のもと、大きな補強をしてこなかった。ここにきて丸と新井氏の離脱、そして昨オフの補強戦略のツケが回ってきたのか、不安定な投手陣と中核を欠く打撃陣の低迷ぶりがよりはっきりと見え始めた。
16日からは舞台を九州に移して巨人との2連戦。負の連鎖はどこまで続くのか。リーグ3連覇の王者が、暗闇から脱出するすべを見出せないでいる。