「ゴーンの腹心」グレッグ・ケリー被告 報告書から見えるその役割とは

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   日産自動車前会長、カルロス・ゴーン容疑者が「4度目の逮捕」をされておよそ10日。不当逮捕を訴えるゴーン氏は、弁護士を通じて動画メッセージを公開するなど「全面対決」を続け、メディアの関心を集め続けている。

   一方、世間の注目が薄れつつある「もう一人の被告」が、グレッグ・ケリー被告だ。ゴーン氏の腹心だったとされる、元代表取締役である。

  • 日産公式サイトに掲載されていたケリー被告の写真
    日産公式サイトに掲載されていたケリー被告の写真
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ゴーン氏の元で日産の権限掌握

   ここで注目したいのが、逮捕のおよそ1週間前の2019年3月27日、日産の「ガバナンス改善特別委員会」が公表していた報告書だ。その中では、ゴーン被告の独裁ぶりとともにケリー氏の役割の大きさを改めて描き出している。

   委員会は外部の有識者や社外取締役で構成。弁護士の西岡清一郎氏と前経団連会長の榊原定征氏が共同委員長を務めた。報告書は、「1人の取締役に権限が集中したこと」などが「根本原因」としたうえで、ケリー氏の役割を詳述している。

   ケリー氏は北米日産で人事・組織開発を担当していたが、2008年に日産本社の執行役員に就任。2012年に代表取締役となり、ゴーン氏を支えた。2018年11月に両被告が逮捕・解任されるまで、ゴーン氏以外に代表権を持つ外国人はケリー氏のみだった。いかに重用されていたのかが分かる。

   報告書によると、2009年度以降、ケリー被告はCEO(最高経営責任者)オフィス、アライアンスCEOオフィス、法務室、秘書室、グローバル人事などの責任者となり、トップラインマネジメント(副社長、専務執行役員、常務執行役員、理事を含む)以外のほぼすべての職員の報酬、人事の決定権を握った。監査役、内部監査室、経理部などから質問があった場合、対応を必要最小限にとどめ、「CEOの決定である」と、それ以上の質問や追求を許さなかったという。ちなみに、ケリー氏が扱わなかったトップラインマネジメントの報酬は、もちろんゴーン氏が決めていた。

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