新紙幣が、キャッシュレス推進の起爆剤に? 「時代に逆行」とは言い切れない事情

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「ご一緒にキャッシュレスもいかがですか」戦術?

   当時は、自販機に硬貨を入れた後、返却レバーを押すと、入れたものとは別の硬貨が返ってくる機構が主流で、偽造硬貨が出回る温床になっていた。それを、入れた硬貨をそのまま返却する機構に変えて、新機種として売り出したところ、需要が増えたのだという。この時は防犯面を売りにしていたが、いまなら「ご一緒にキャッシュレスもいかがですか」といった具合だろうか。

   政府方針も、その背中を押す。経産省が18年4月に出した「キャッシュレス・ビジョン」では、大阪万博が行われる25年までに、キャッシュレス比率を現状の2割から、4割程度に倍増させる目標だ。新紙幣とからめて、機種導入を後押しする施策が行われれば、さらなる追い風となるだろう。

   このビジョンでは、将来的に「世界最高水準」の8割まで、比率を高めることを目指している。新紙幣発表翌日(19年4月10日)の日本経済新聞(東京版)は、1面で「今回が実質的に最後の紙幣刷新になる可能性は否定できない」と伝えたが、果たしてどうなるのだろうか。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)

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