前回は2年前、前々回は3年前... 発行「5年前」の新紙幣発表は、本当に「政権の思惑」なのか

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毎日新聞は「政権思惑」、NHKも「狙い」指摘

   ただメディアの中には、額面通りに「たまたま」とは思えない、との思いがにじむ見方を披露するところもあった。毎日新聞(東京本社最終版、10日付朝刊)は、「クローズアップ」欄で、「『令和』との相乗 政権思惑」の見出しも使い、麻生大臣の「たまたま」発言を紹介したすぐ後の部分で、

「だが、大幅に早い発表には、新紙幣を21年に自民党総裁任期を終える安倍氏のレガシー(遺産)にしたい意向もにじむ」
「政府が新元号に続いて新紙幣を発表したのは相乗効果への期待もあるようだ」

と指摘した。

   また、日経新聞(同、9日付夕刊)は1面の記事本文で

「複数の政府関係者は9日、『新紙幣は新時代を見据えたものだ』と話した。4月1日の新元号『令和』の公表から間をおかずに新紙幣を発表したことで、新時代の幕開け機運を醸成するとの期待がある」

と結果論の形を取りながら、新元号と新紙幣の発表を結び付けた。さらには、正式発表前の9日未明にはNHK(ウェブ版)が、

「この背景には、皇位継承に伴って来月1日に元号が『令和』に改められるのに合わせて、新しい時代を国民がこぞってことほぐ環境を醸成する狙いもあったと見られます」

との見立てを披露していた。

発表から新紙幣の発行までの期間は、今回は「2019年4月発表」で「24年度上期を目途に発行」のため、約5年となる。前回刷新時は「02年8月発表」、「04年11月発行」で約2年3か月。前々回は「1981年7月発表」、「1984年11月発行」で約3年4か月。こうして比較すると、今回はやや突出して準備期間が長い(発表時期が早い)ように見える。なぜなのか。J-CASTニュースは財務省に話を聞いた。

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