プロ経営者VS創業家? LIXILの乱、背景には独特の「お家事情」も

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   住宅設備大手のLIXILグループが揺れている。

   「プロ経営者」と「創業家」によるCEOの地位をめぐる争いだ。異例の「抗争」の背景には何があるのか。登場人物を読み解くと、そこにはLIXILという企業特有の事情も透けて見える。

  • 旧トステム(左)、旧INAX(右)両社のかつての本社ビル(ともにTo-emonさん撮影、Wikimedia Commonsより。J-CASTニュース編集部が一部加工)
    旧トステム(左)、旧INAX(右)両社のかつての本社ビル(ともにTo-emonさん撮影、Wikimedia Commonsより。J-CASTニュース編集部が一部加工)
  • 旧トステム(左)、旧INAX(右)両社のかつての本社ビル(ともにTo-emonさん撮影、Wikimedia Commonsより。J-CASTニュース編集部が一部加工)

「イタリアで朝食を食べていたら、突然電話が来て」

   戦いの口火を切ったのは、前社長兼最高経営責任者(CEO)の瀬戸欣哉取締役だ。2019年4月5日に緊急記者会見し、6月予定の定時株主総会に同氏を含む8人の取締役候補を株主提案し、CEOへの復帰を目指すと発表した。前CEOが自ら株主提案を行い、CEO復帰を目指すのは異例だ。瀬戸氏は2018年11月、現会長兼CEOの潮田洋一郎氏にCEO退任を迫られ、創業家出身の潮田氏がCEOに返り咲いた経緯がある。

   LIXILをめぐっては、海外の機関投資家が昨秋のトップ人事が不透明だとして潮田氏らの解任を求めており、新旧CEOを軸とする社内対立が鮮明になっている。

   瀬戸氏は住友商事出身で、工具のインターネット通販「MonotaRO(モノタロウ)」での経営手腕をLIXILの潮田取締役会議長(当時)に買われ、2016年にLIXIL社長に就任した。しかし、その後は潮田氏と経営戦略をめぐって対立し、指名委員会委員だった潮田氏は2018年11月、瀬戸氏にCEO退任を求め、自ら会長兼CEOに就任した。瀬戸氏は2019年4月に社長も退任し、6月の株主総会では取締役からも退く見通しとなっていた。

   瀬戸氏は5日、東京都内で記者会見し、「昨年10月27日、イタリアで朝食を食べていたら、潮田氏から突然電話が来て、まさに晴天の霹靂だった。指名委員会が全員、(瀬戸氏にCEOを)辞めてほしいという話だった」と、退任に至った経緯を説明。「機関決定なので(CEO退任は)変えられないという話だったが、従業員や投資家から、なんで簡単に突然辞めたのかと責められた。辞めるべきでなかったと自覚した時、決断を早まったと後悔した」と述べ、自ら取締役として続投し、CEO復帰を目指す理由を述べた。

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