トミー・ジョン手術は、打撃にどこまで影響するのか 大谷の復活占う「証言」と「データ」

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手術15選手のうち11選手の長打率が...

   ただし、気になるデータも出ている。米国の野球記録ウェブサイトのファングラフスに投稿された記事によると、1984年から2012年まで肘の内側側副靱帯再建術を行った野手の復帰後の打撃成績を調べたところ、手術をした野手15選手のうち11選手の長打率が下がったという。長打率は塁打数÷打数という式で計算する。手術前の平均長打率は.419だったが、手術後の平均長打率は.391だったという。

   例えば、NPBの最高長打率は、2013年にヤクルトスワローズにいたバレンティンで.779だった。

   15選手のうち11選手の長打率がやや下がったが、逆に上昇した選手もいる。野球殿堂入りを果たしているポール・モリターだ。モリターは27歳だった1984年に手術を受けた。手術以降は三塁手、一塁手、指名打者として出場し、41歳までプレー。通算3319安打を記録している。

   手術後に打撃成績を落している選手のほうが多いというデータもあるが、モリターのように手術をひとつの通過点として、さらによりよい選手になっていった例もある。

   手術は打撃には影響がないと言うコーリー・シーガー、やや影響があるというデータ、ポール・モリターの実例。打者として復帰する大谷はさらにやや苦しむのか、手術の影響を受けず以前と同様の打撃をするのか、はたまたさらにパワーアップするのか。

   (スポーツライター 谷口輝世子)

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