下関北九州道路、地元はそれでも早期建設を訴える 「忖度」「安倍・麻生道路」で片付かぬ切迫度

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「トンネルや橋は老朽化しており、災害時の代替も必要」

   道路の建設を疑問視するメディアや著名人に対しても、反発の声が上がっており、関門トンネル内は車が流れていても料金所付近までは渋滞しているといった反論も出た。

   「トンネルも橋もあるのに不要なんじゃないの?」「あればだれでも便利ですが 建設にも、維持管理にも金がいる」といった声もあったが、建設を求める声の方が多く書き込まれている。

   下関北九州道路は、トンネルや橋に続く関門海峡3つ目のルートとして、1990年代に国の調査が始まった。しかし、報道によると、財政難などから福田康夫政権下の2008年度に調査が凍結された。その後、安倍晋三政権下の17年度から自治体の調査に国が補助金を出すようになり、19年度からは、国の直轄調査として4000万円の予算を計上されている。

   北九州市の都市交通政策課は4月11日、新ルートの必要性について、J-CSTニュースの取材にこう説明した。

「トンネルや橋は、建設後50年前後経っていて老朽化しています。また、昨年7月の西日本豪雨による土砂災害で接続道路がともに4日間も止まってしまい、山沿いでない場所に代替ルートを作る必要があります。トンネルなどの周辺道路渋滞も緩和できますし、トンネルや橋の場所と別のところで物流や観光の周遊ルートにもなります」

   下関市の都市計画課でも、こうした理由を挙げ、片側一車線しかないトンネル内で事故があったり、老朽化による補修作業をしたりして通行止めになることが多く、代替性の確保などが大事だと取材に説明した。

   なお、新ルートの調査検討会が4月8日に17年度からの調査結果をまとめ、トンネルよりも橋が比較的優位だとした。橋だと台風など強風時に通行止めになるデメリットもあるが、トンネルだとタンクローリーなどが通行できず、断層が通っていて地震のときに心配があることなどが理由だという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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