日本航空(JAL)が出資している中長距離格安航空会社(LCC)の「ZIPAIR(ジップエア)」が2019年4月11日、機体のデザインとパイロットや客室乗務員(CA)の制服を発表した。
パイロットやCAが履く靴と言えば、「男性は革靴、女性はパンプス」だが、ZIPAIRではあえてスニーカーを採用した。
ある日は地上職員、ある日は客室乗務員
制服のデザインは堀内太郎氏が担当した。コンセプトは「着回し」で、ジャケット、コート、パンツ、スカート、ワンピースなど計20アイテムを自由に組み合わせて、その日の業務内容や気分に合わせて制服を選べる。その中でキーになるのがスニーカーだ。運航会社の西田真吾社長は、
「空港や機内は立ち仕事が多かったり、ダッシュしなければいけない場面もある」
「時代の流れもあるが、スニーカーは運動のためだけではなく、ファッションの一部にもなっているし、ライフスタイルを象徴するようなとらえ方ができる時代になっている」
などとして、働きやすさを重視したことを明かしている。
ZIPAIRの社員は「ある日は地上職員として働き、ある日はCAとして空を飛ぶ」といった働き方が想定されており、地上の業務では白、空の業務では黒のスニーカーを履くことになっている。
機体デザインでは、垂直尾翼にシンボルマークの「Z」を入れた。機体側面にはグリーンのラインを入れて、ブランドの語源のひとつでもある、矢が素早く飛ぶ様子(ZIP)を表した。
座席「JALの1.5倍程度」の快適度は...?
ZIPAIRは20年の夏ダイヤから成田とソウル(仁川)、バンコク(スワンナブーム)の2路線で運航を始める。JALのボーイング787-8型機2機を改修して導入し、座席数はJALの787-8の186席(ビジネスクラス30席、エコノミークラス156席)の1.5倍程度(約280席)になる見通し。現時点で787-8を導入しているLCCはジェットスター(オーストラリア)やスクート(シンガポール)が知られており、両社の座席数は335席(ビジネスクラス21席、エコノミークラス314席)。ZIPAIRがどの程度の座席数をビジネスクラスに割り当てるかによって、エコノミークラスの快適度は大きく変わってくることになる。ただ、この点については
「どういう構成にするかは、もうしばらくお待ちいただければ」(西田社長)
として、ビジネスクラスを導入するかを含めて明言を避けた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)