昨年なら新井がベンチで声かけていたが
不振が続く打撃陣。投手陣の不調はそれ以上だろう。昨シーズンまでは序盤でリードされても中継ぎ、リリーフが踏ん張り、打線の援護を得て逆転勝ちするケースが多かった。だが、開幕からここまでは、打線が湿りがちで先発の後を受けた中継ぎ陣が踏ん張り切れないでいる。ヤクルトには2戦連続の2ケタ得点を許し、2日間で計25点を献上。昨シーズン、ホームで2ケタ得点を許したのは5試合だったが、今シーズンは8試合で早くも2試合が2ケタ。投手陣の不安定さが際立っている。
迷いは指揮官の采配にも如実に表れている。緒方孝一監督(50)は連日のように打線を組み替え、打線を固定しきれていない。同じオーダーで臨んだのは、開幕からの2試合のみ。3戦目から4番までメンバーを固定しているものの、5番以降は連日の入れ替えが続く。緒方監督は10日の試合後、「いい采配ができなかった」と絞り出し、敗因を自身で受け止めた。
前出の関係者は「緒方監督は打線にテコを入れようと必死ですが、選手は落ち着かないでしょうね。ただでさえホームで結果を出せないでいる状況ですから。丸(佳浩)が抜けた穴は確かに大きいが、新井(貴浩)の引退で精神的な柱を失ったことの方が大きい。昨年までだったら新井がベンチで選手に声をかけていたが、今はその役目をする選手がいない。長野に新井の代わりを期待するのは酷なこと。6月の交流戦までにチームを立て直さないと、それこそ緒方監督の立場も危うくなりますよ」と指摘した。