立憲民主党会派の岡田克也衆院議員が2019年4月11日、菅直人元首相(立憲民主党最高顧問)が国民民主党に解散を求めていることについて「慎むべき話」だと苦言を呈した。国会内で記者団に語った。
岡田氏は、19年7月に迫った参院選の1人区では立憲や国民が候補者を公認するのではなく、無所属で出馬させた上で相互推薦すべきだとの立場。菅氏の発言は野党間の足並みをさらに乱すとみているようだ。
「僕は決していい発言だとは思わないですね」
菅氏は4月3日付けのブログで、国民は小池百合子氏が立ち上げた「希望の党」を引き継いでいるものの、小池氏の理念を引き継いでいるかまでははっきりしないことが「国民民主党の混迷の原因」だと主張。その上で、
「私が繰り返し『国民民主党』は一度解散して、個々の議員の判断で一番政治理念の近い政党に参加するほうがいいと言っているのは、このような『国民民主党』の自己矛盾を解消するためです」
などと解散を主張。統一地方選前半戦を受けた4月9日は、ツイッターに
「小池都知事が結成した希望の党と民進党が合併した国民民主党は、政治理念が不明確なので解散し、参院選までに個々の議員の判断で立憲との再結集に参加するのが望ましい」
と書き込み、露骨に立憲への合流を呼びかけた。
こういった発言に岡田氏は否定的だ。
「政治家がどういう発言をするかというのは、ある程度自由だとは思うが、僕は決していい発言だとは思わないですね。むしろ、かなり言い過ぎている。慎むべき話だと思いますよ」
「やっぱりみんな仲間だからねー。政治家として」
「すでに公認がだいぶ出てるし...」
岡田氏は参院1人区について
「一方(の党)で公認となると、他方の支持者はなかなか力が入らない。そういう意味では、なるべく双方推薦のような形でやっていかないと、難しいのではないかと思うが、まだそういう状況には至っていない」
などと持論を展開したが、
「すでに公認がだいぶ出てるし...。あんまり公認にこだわらないほうがいいと思いますけどね」
とも話し、実現にはハードルがあるとの見方も示した。
一方で国民をめぐっては、自由党との合流に向けた協議の期限が4月末に迫っている。岡田氏は、
「合流することが大きなかたまりにつながると玉木さん(玉木雄一郎代表)は説明しているが、そう思っている人は少ないのではないか、現実には。おそらく本人も分かってて言っていると思うけど」
として、合流が与党に対抗する「大きなかたまり」になる可能性は低いとの見方だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)